第13回「日本医師会赤ひげ大賞」で功労賞を受賞した 土肥 直樹さん 内郷診療所所長 61歳
生涯、「現役医師」を貫く
○…地域の医療現場で長年にわたり献身的な活動を続ける医師を顕彰する「赤ひげ大賞」で功労賞に選ばれた。30年以上地域医療に携わり、内郷診療所に勤めて24年。名誉ある賞に「私よりふさわしい人がいるのでは」と控えめに呟く。恩師や同窓生からお祝いの言葉も届き「懐かしい友人から連絡がきたり励みになります」。いわゆる「へき地診療所」は医師一人の場合が多く、高い能力が求められる。60を過ぎ今思うのは「自分は何を残せるか」。地域医療を任せられる後進を育てることが責務だと言う。今回の受賞はその原動力の一つにもなったようだ。
○…横浜生まれ。教育熱心な両親の元で育ち、中高は桐蔭学園で勉学にいそしんだ。高校卒業後「人に感謝される仕事に就きたい」と医学の道を志す。「へき地で働く医者を育てる」自治医科大学で学んだ後、地元神奈川で診療所勤務をしながら、県立病院やがんセンターで外科医の修練を積んだ。「一番、病気を治せる」と外科を専門としたが、がん患者に向き合う中で「早期発見」の重要さを痛感。内郷診療所では近隣住民の検診受診率の向上や健康教育にも力を注ぎ、日夜、地域医療に取り組んでいる。
○…幼少時代からの野球好き。3人の息子がクラブに所属していた頃はコーチも務めていた。熱狂的な阪神ファンでシーズン中は「ナイター観ながらビール、最高だよね」と目尻を下げた。
○…診療所に勤務する傍ら北里大学の客員教授を務め、研修医の指導や医師のための勉強会を全国で開催するなど多忙な日々。それでも、表情には充実感が漂う。週に1回は外科医として病院で処置を行い、自己研鑽も忘れない。「医者は死ぬまで続けると思う。長く第一線で臨床を続けられたら」と微笑んだ。
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