県立城山高校(大石進校長・生徒数825人)で10月27日、「リニア中央新幹線」について考えるグループディスカッションの公開授業が行われた。授業は法政大学の学生有志の主導で展開され、議論の中で様々な意見が交わされた。
同校では2005年から、法政大学の学生サークル「SEET(Shiroyama Environmental Education Training)」の主導のもと、環境をテーマとした授業を行っており、過去、食品の廃棄や地球温暖化などといったテーマで、議論を通して高校生が自ら環境問題を考えるきっかけづくりに取り組んできた。今回は、リニア中央新幹線の橋本駅付近への新駅設置が同校生徒の生活環境にも影響を与えると考えられることから、テーマが設定された。
この日、授業対象となった1年7組の34人は、「大学教授」「住民(A・B)」「総理大臣」「(事業者の)JR東海社長」「相模原市長」というそれぞれの役割になり切って資料を読み込み、リニア中央新幹線建設について賛否を主張し合った。様々な立場の人の意見をふまえ、生徒は最終的に役割を解いて、自分自身の考えを発表。班内で話し合って総意をまとめ、模造紙に書いて班ごとに全員の前で発表した。
建設に反対した班の生徒からは「移動時間短縮のためだけに自然環境を壊したり、安全性の保障に課題があるのなら新幹線でよい」「ストロー効果で都心への人口集中が懸念される」といった意見が挙がった。また賛成班からは「多くの利用者が相模原を訪れ、市の知名度が上がる」「経済が活性化する」などの意見が述べられた。
授業を主導したSEETでは「それぞれの立場によりリニア中央新幹線に対して持っている情報量や価値の判断基準は違う。世の中にアンテナを張り自ら情報を得て、自分自身で考えることが重要である」と総括。メンバーの澁谷喬晴さん(20)は、「個性・感受性が豊かな高校生からは思いもよらない意見もあり、様々な意見が聞けた」と話した。
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