大山町にある美術活動の拠点「アートラボはしもと」が建替えのため、8月9日(月)で閉館する。建物の老朽化などによるもので、市文化振興課によると、「今まで以上に美術活動や賑わいが創出されるような施設に再整備し、2025年度中の再オープンを目指したい」と話している。
同館は、ワークショップやまちづくり活動を通じ、アートによる先進的・実験的な取組みを行うことを目的に2012年に開館した。相模原市と近隣4大学(女子美術、桜美林、多摩美術、東京造形)が基本協定を結び事業を展開。建物は、民間企業のマンションギャラリー(販売センター)だったものを市が譲り受け活用している。メイン事業としては、各大学の学生や卒業生、同館の学芸員・美術専門員などが講師となり実施するワークショップや、近隣に美術系の大学が多い利点を生かした「制作スタジオ公開ツアー」などを実施している。
複合施設として復活
アートラボはしもとに関しては、16年度に策定された「相模原市美術館基本構想」において、現在実施している事業に新しい機能を加えた「(仮称)美術館(橋本)」として将来的に後継施設を再整備する方針が決まっていた。翌17年には、市がサウンディング型市場調査(自治体などが所有する公有資産について、民間事業者にアイデアや意見を募る調査)を実施。再整備については、同館単独での建替えではなく、民間活力導入による複合施設化の市場性を確認した。
これを受け、同館と基本協定を結ぶ大学の教授などで構成された「相模原市橋本地区における美術施設の整備に関する検討委員会」(天野太郎委員長)は、市民からの意見なども踏まえ、後継施設の方向性や運営体制を検討。その結果を、19年に「アートラボはしもと後継施設の整備に係る建議書」として本村賢太郎市長に提出した。建議書では、後継施設の名称を「美術館」ではなく、「アートラボはしもと」のままがふさわしいのでは、などの内容が含まれている。
そうした中で、開館10周年を前に、老朽化やバックヤード・大部屋不足など施設面での課題が浮上。美術拠点としての機能向上をめざし、建替えることが決定した。
再整備事業について、市は官民合築方式を採用し、今夏にも民間事業者を公募する予定だ。同館のテーマと親和性の高い事業提案が望ましく、文化振興課の担当者は「今まで以上に美術活動や賑わいが創出されるような施設に再整備する。再オープンは、選定した民間事業者の案にもよるが、2025年度中を目指したい」と話す。
閉館は8月9日。9月には中央区の青少年学習センター内に仮事務所を構え、出張ワークショップなどの業務は引き続き実施する。同館担当者は、「開館以来、多くの皆様にご来館いただき感謝。7月末から改装閉館イベントに向けて準備を進めているので期待してほしい」と話している。
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