約20年にわたり中央区中央小学校でヤギ飼育ボランティアを続けている 島貫 松江さん 中央区相生在住 73歳
「子どもが癒される場所を」
○…ヤギの飼育ボランティアを続けて20年近く。始めた当時にふれあった子どもの中には今も交流が続いている人もおり、最近では結婚の報告を受けることも。「子どもが育っていくのはとても感慨深い。大人になった今でもヤギを見に行きたいって言ってくれる子もいて、それがまたうれしい」と目を細める。
○…元々教員として中央小学校に赴任すると、そこで飼育担当に。世話をしているうちに、動物の生き生きとした表情に魅入られていった。それと同時に、飼育小屋を訪れた児童が、動物とコミュニケーションを図っていることに気が付いた。「普段はおとなしい子が動物を見て笑ったり、やんちゃな子が優しく動物をなでたりしていた。動物には子どもを癒す力があると感じた」。55歳で体を壊して教員を退職したが、その後も「子どもたちの豊かな成長のため」と同校で飼育ボランティアを続けた。
○…子育てを終え、現在は夫と二人暮らし。飼育ボランティア以外に保護司としての顔も持ち、地域を支える。休日は映画を観ることが多く、「若いころからクリント・イーストウッドが大好き。彼の出演作はできるだけ観るようにしている」とほほ笑む。
○…年月が経ち、飼育環境も20年前から大きく変わった。当初はウサギやニワトリなど複数の動物がいた小屋も今ではヤギ1頭だけに。それでも昔と変わらないのは、子どもたちが動物に向ける笑顔だ。「子どもにとって学校の教室はとても大きな存在。人間関係で悩みを抱え込む子もいるけれど、そんな子たちが教室の外で、癒されるような場所を作っていきたい」。親身に一生懸命、子どもたちが愛している「癒しの場所」をこれからも守り続けていく。
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