昨年8月に閉館した「アートラボはしもと」(大山町)の再整備事業について市は、優先交渉権者を株式会社ファジー・アド・オフィス(東京都新宿区)に決定した。同社は、総合住宅展示場を併設した施設の整備を提案。モデルハウス内での美術作品展示などを方策に掲げている。
「アートラボはしもと」は、ワークショップやまちづくり活動を通じ、アートによる先進的・実験的な取組みを行うことを目的に2012年に開館した。寄贈された民間施設を活用してきたが、建物の老朽化を理由に閉館。今年度中の解体が決定している。市は、解体に伴い、再整備に関わる財政負担の軽減を目的として、アートラボはしもとの後継施設と民間施設が併設する複合施設の整備を行うために民間事業者を募集していた。
「管理しやすさ」評価
優先交渉権者には、2者の応募があった。審査は有識者で構成された「相模原市アートラボはしもと再整備事業審査委員会」によって行われた。内容審査400点、価格審査100点の計500点満点を評価点として総合審査で行われ、株式会社ファジー・アド・オフィスは合計で400.2点を獲得。2位の会社と約90点差をつけての選定となった。同社が提案したのは、後継施設となるアート施設の横に住宅展示場を併設するといったもの。決め手となったのは、後継施設のみ建設することで、他社の提案と比較して市による建物の管理コストが抑えられる点だった。
同社が提示した事業コンセプトは「アソビノアトリエ」。「モデルハウス子ども部屋コーディネート」をはじめコンセプトに則った展示会を考案するなど、後継施設で活動するアーティストや美大生の作品展示場所を用意する。見学に訪れたファミリー層にアートに親しむ機会を提供する事で、暮らしの中で自然とアートを体現できるモデルハウスやライフスタイルを発信していくことが挙げられた。また、相模原市にゆかりのある著名なアーティストのトークショーや個展開催をはじめとした文化芸術系アーティストのステージやワークショップなどの開催などを予定。市民同士が交流しアートを通じた新しいコミュニティの推進の効果が期待される。
市文化振興課の担当者は「相模原市全体の美術文化の発展につながっていければ」と話した。
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