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高齢化による買い物や通院などの地域交通の課題を抱える若葉台地区で1月18日、グリーンスローモビリティ(グリスロ)のテスト走行が行われた。グリスロとは、時速20Km未満で公道を走ることができる電気自動車を活用した小さな移動サービスのこと。交通弱者の移動手段として期待が寄せられている。
身近な移動の支えに
若葉台地区は約900戸、2100人が住んでおり、高齢者の割合が56・8%を占める。市内でも高齢化率が高く、さらに、地理的に高低差があることから、身近な移動が困難な住民も多いという。
地域では、移動困難者の交通手段を確保しようと、住民が主体となってコミュニティバスの運行を市に要望するなど、課題の解決に向け模索してきた。そのような中、グリスロを推進する環境省の調査地点に若葉台が選ばれ、今回のテスト走行が行われた。
テスト走行に使われた車両はヤマハ発動機のAR-07。ゴルフカートと同等の車両で、運転手を含めて7人乗り。家庭用電源から充電が可能で、フル充電で8時間、約30Kmの走行が可能。普通免許の資格があれば運転できる。両脇がオープンになっており、乗客同士や歩行者との会話がスムーズにでき、乗車しながらコミュニケーションを図りやすいのが特徴。上部に取り付けられたビニールを下ろせば、雨や風を防ぐこともできる。
「早く感じた」
テスト当日は地域住民のほか、本村賢太郎市長らが、若葉台自治会館から広瀬病院までのコースを試乗した。乗車を終え、本村市長は「スピード感があって馬力を感じた。走行はスムーズで地域の人からも親しまれるのではないか」と感想を話した。
また、試乗に訪れた若葉台5丁目に住む女性は「時速19Kmと聞いたけど、それ以上に早く感じた。今は病院に行くのも休憩を取りながら歩いているので、実際に乗れるなら最高ですね」と導入に期待する。一方で、「どこから乗れて、どこで降りられるのか、乗りたい人が7人以上いたら諦めないといけないのか、うまくルールを決めてほしいですね」と話す。テスト走行の後には、買い物後の荷物の置き場がないこと、運転手をどのように確保するのか、運賃はどう設定するのかなどの課題も確認された。
来年度に実証運行
これまで若葉台では、地域交通に関して若葉台自治会、若葉台住宅を考える会などが課題の解消に向けて検討を重ねてきた。
今後は地域で運営主体を設立し、地域主体の市の事業として、翌23年度に2カ月の実証運行を2回行う。さらに、その結果を検証し、24年度には1年を通した実証運行を予定しており、25年度の本格導入を目指す。
同自治会の林和博会長は「若葉台は高齢化で移動困難者が多く、なかなか買い物へ行けない方、通院が困難な方、近くのバス停まで出るのが大変な方など、いろいろな方がいる。これらの課題解消に向けて今回のグリーンスローモビリティ導入への期待はとても大きい」と話した。
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