相模原市は10月2日、中山間地域の活性化や住民支援を行う地域おこし協力隊に相田直樹さん(29)と中島竜馬さん(25)の2人を委嘱した。2人は中山間地域の課題解決に向け各プロジェクトの進行を支援していく。市が同協力隊を委嘱するのは初。
地域おこし協力隊とは、都市から地方へ生活の拠点を移した人に委嘱し地域おこしや住民の生活支援などを行い、その地域への定住・定着を図る総務省による制度。市では中山間地域の少子化、人口減少に対して地域の活性化やコミュニティーを維持するため、今年の夏に募集をかけ19人の応募があった。今回はその中から評価点の高かった2人が選ばれた。
デジタル化を支援
2人は森のイノベーションラボFUJINO(森ラボ)を拠点に暮らしや事業のデジタル化支援、スマホやパソコンなどのデジタル機器の出張相談、情報発信などに取り組む。さらに、空き家の利活用や里山保全を支援するビジネス担当、医療や介護の充実を支援するライフ担当に分かれて課題解決に取り組む。任期は3年。市では、活動の発信によるデジタル化の機運醸成、起業や就業により地域に定住しICT領域において地域の重要な担い手となることに期待する。
委嘱を受けた相田さんは、慶応義塾大学の大学院生。大学院では医療について研究しており、「その経験を生かしたい」と協力隊に応募した。中山間地域の医療について相田さんは「まずは地域の実情を知ることから始めたい。地域にドクターが減る中で問題をどのように解決できるか考えたい」と話す。一方の中島さんは、高専卒業後にSEとして働き、世界を旅した経験を持つ。藤野地域のエコビレッジを訪れたことをきっかけに協力隊に応募した。中島さんは「海外含めてコミュニティーに参加してきて場づくりがしたい。空き家や廃校をうまく活用した取り組みができれば」と意欲を燃やす。
市長「力添えを」
同日、市役所で委嘱式が行われ、2人は本村賢太郎市長から委嘱状を受け取った。2人と顔を合わせた本村市長は「相模原が選ばれるまちになるために中山間地域の施策を強く打ち出していきたいと思っている。それには2人の力添えが必要」と強く思いを伝えると、藤野、相模湖、津久井地域の魅力を説明していった。そして「中山間地域は長く住む人、移住してきた人でも気付かないことがまだまだある魅力溢れる地域。ぜひ若い発想で一緒に盛り上げていけたら。そして、住み続けたいと思える出会いがあればうれしい」と2人の活躍に期待を寄せた。
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