神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
さがみはら緑区版 公開:2023年11月23日 エリアトップへ

MISA展 アートで子どもに元気を 移動美術館 市内を巡回

文化

公開:2023年11月23日

  • X
  • LINE
  • hatena
根小屋小で展示された大橋さんが大学の卒業制作として完成させた作品「ギフト」
根小屋小で展示された大橋さんが大学の卒業制作として完成させた作品「ギフト」

 区内在住でパラリンアーティストの大橋美沙さんの絵画作品を展示する移動式MISA美術館(MISA展)が、市内の小中学校を巡回している。11月7日から11日までは根小屋小で開催され、佐藤玲子校長は「子どもたちは絵を見て息を飲むような感動を得ているようだった。いつも以上に感想を述べる子が多く、生の絵の力を感じた」と話す。

 MISA展は、美沙さんの小学校時代の恩師で津久井中央小の神原由香里校長が中心となり企画した。神原校長は「この絵を見て『みんな違って、みんないい』『このままでいいんだよ』というメッセージに救われる子どもがたくさんいると思う」と開催への思いを話す。

 美沙さんは、知的発達に遅れはないものの、読み書きや計算などの習得と使用に困難を示す学習障害があり、中学校は支援級、高校は通信制に通った。横浜美術大学に進学すると本格的に絵を描き始め、これまでに多くの作品を残してきた。

 今年3月の卒業にあたり、大学で保管していた作品をお世話になった人たちに寄贈しようとしていたところ神原校長に話があったという。神原校長は、「彼女の作品はバラバラで飾ったらもったいない。セットで見てもらうことで彼女の歴史や成長をより感じることができる」と作品を一括で引き受け、絵画展の構想を膨らませていった。

 作品を保護するために段ボールの額縁、自立式の支柱、運搬に関わる費用をクラウドファンディングで募り、約140万円の支援を得た。その後、MISA展を開催したい学校を募り、今年の10月に南区の若草中で開催。続いて根小屋小で開催した。

「やさしい感じ」

 根小屋小では、体育館に大小20点の絵を展示し鑑賞会を実施。絵を鑑賞した児童からは「泣いてしまいそうになった」「自分の感じていることをすべて描いているところがすごい」「苦しい気持ち、明るい気持ちが見えて気に入った」「きれいですごく温かくてやさしい感じ」などといった感想があがった。

 最終日の11日には、開催のお礼を言いたいと母の美穂さんが同校を訪れた。秋の地域イベントで集まっていた約40人の保護者を前に30分ほど講演。美穂さんは「美沙は苦しいことも含めて学校を楽しんでいた。どちらもあったおかげでこの絵が描けたのだと思う」と話した。

千木良小で開催中

 現在、MISA展は12月8日(金)まで千木良小で開催中。一般にも開放している。絵画展について美沙さんは「描いている時はとても楽しかった。この絵を見て感動してもらえたらうれしい」と話す。神原校長は「彼女の絵に触れて、自分はこのままでいいんだと勇気や元気をもらったり、頑張ろうと思う子どもが増えたらうれしい。この絵に救われる子どもがたくさんいると信じて多くの人に見てもらいたい」と話した。

講演した美穂さん
講演した美穂さん

さがみはら緑区版のトップニュース最新6

活動新聞が南関東1位に

橋本イオンチアーズクラブ

活動新聞が南関東1位に

「森」をテーマに研究報告

9月5日

本校舎で授業再開

藤野北小

本校舎で授業再開

6年生は5年ぶりに帰校

9月5日

過去最多33億円が流出

ふるさと納税

過去最多33億円が流出

取り組み強化で寄付額増へ

8月29日

学校エアコン緊急修繕

相模原市

学校エアコン緊急修繕

猛暑と経年で不具合増加

8月29日

中3の国語 全国上回る

相模原市学力テスト

中3の国語 全国上回る

算数・数学はやや苦手か

8月22日

市の爬虫(はちゅう)両生類を1冊に

小川路人さん(橋本在住)

市の爬虫(はちゅう)両生類を1冊に

全33種、写真入りで紹介

8月22日

あっとほーむデスク

  • 8月19日0:00更新 文化

  • 1月11日0:00更新

  • 9月21日0:00更新

さがみはら緑区版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年9月7日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook