相原の歴史をさぐる会の会長を務める 戸塚 厚生さん 相原在住 86歳
知ることはつながること
○…「和田合戦で負けてその後、横山党がどうなっていったのか。より知りたくなるような内容だったね」。7月6日に相原公民館で開催した講演会。今回のテーマは、横山党と相原。この2つのつながりについて、市立博物館の学芸員を招き会員や一般参加者と共に知識を深めた。公開した講演会は84人の参加者が訪れた。「多くの人に来ていただけてとても光栄」と笑顔を見せる。
○…1970年に相原5丁目にある初代二本松が枯れたとき、地域の有志が集まり新たに植樹することを決めた。「このままでは、相原地区の歴史が消えてしまうのでは」と、危惧した住民が集まって翌年設立したのが同会。自身は創立直後に会員に誘われて入会した。会長となり10年程になる。地域の歴史を探る魅力について「地域のことに興味を持つこと、知ることは大事。それで同じところに住む人同士のつながりが生まれる」と意義を話す。
○…東京都で生まれ群馬県で育った。麻布大学(中央区淵野辺)への入学を機に相模原市へ移り住んだ。高校教師の道へ進み相原高校などで教鞭を執った。「本当は歴史よりも畜産や動物の方が専門なんだ」と謙遜してみせる。日常の気分転換には境川沿いを散歩したり、植物観賞、写真撮影などを楽しんでいる。
○現在の会員は35人。今後も相原の歴史を知り、知らせることをテーマに活動していく。「協力することでより地域の歴史が分かったりする」と、境川対岸の町田市相原町や橋本、城山などの歴史団体とも交流を図る姿勢を見せる。「例えば昔作られたものはどんどん変わったりしていく。どうしてそうなるのかまだまだ知りたいし、調べたいね」。飽くなき好奇心が今日も研究への一歩を踏み出させる。