相模原市行財政構造改革プランの市民説明会が10月8日、サン・エールさがみはらで開催された。
市の2020年10月時点の推計によると、21年度からの7年間で約816億円の歳出超過が見込まれたため、緊急に行財政構造改革を進めるため21年4月に同プランを策定した。計画は27年度までを予定していたが、目標の早期達成が見込まれるとして、市は期間を前倒しして25年3月で終了することを決めた。今回は、その取り組みの結果や市の財政状況、プランの終了後について説明が行われた。
健全化にめど
当日会場に訪れたのは7人。冒頭に石井賢之副市長が「このプランは厳しい財政状況の中で、市民の皆さんが笑顔で過ごせるよう、さまざまな施策を実現するために策定した。財政健全化の早期達成が見込まれるため来年の3月に終了する。期間を前倒しできるのは市民の皆さまのご理解とご協力によるもの」と感謝の意を述べた。
取り組み結果の報告については、市税収入等の増収のほか、公共施設の廃止や集約化、まちづくり事業の選択と集中などにより財政健全化のめどが立ったと説明。さらに、「市の貯金である財政調整基金や特定目的基金も増加している」と話した。プラン終了後については、「多くの人や企業に選ばれる魅力的なまちづくりを進めるために『(仮称)さがみはら都市経営戦略』の策定を進める」と示した。
反対の声も
説明後の質疑応答では、「プランが早期に終了し、素晴らしい結果になった」という意見が挙がった。
一方で、「市政は憲法をベースにしないといけない。健康で文化的な暮らしを地方自治体は保障すべきなのに、都市経営戦略という言葉からは会社経営的なものを感じる」といった声も出た。さらに、中山間地域の診療所の再編を引き合いに出し、「どんどん暮らしが悪化していると思わざるを得ない。会社経営のような財政の発想でますます苦しめられるかと思うと方針には反対」という意見も挙がった。市の担当者は「あくまで都市経営の視点から相模原市の将来像の実現に取り組むということ。市の福祉や文化施策は引き続き行っていく。頂いたご意見を踏まえて都市経営戦略の検討を進めていきたい」と回答した。
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