「津軽三味線全国大会 in KOBE 2012」に出場する「珠(たま)の音(ね)会」会主 澤田成珠(なるみ)さん 町田市在住 36歳
文化響く三味線の音
○…「勇魚(いさな)」とは古い日本の言葉で鯨を指す。自身が会主を務める三味線教室「珠(たま)の音(ね)会」が10月7日に開催される「津軽三味線全国大会inKOBE2012」で演奏するのが、じょんがら節をベースに作った合奏曲「勇魚」だ。日本の文化を表すべく名付けたこの曲で、生徒9人と団体の部に出場する。「過程が大事。練習の日々を思いながら良い演奏ができれば」と演奏そのものを大切にする。
○…三味線との出会いは亡くなった祖母の遺品を譲り受けた24歳の時。過去に耳にした津軽三味線の哀愁漂う演奏が印象的で、仕事の傍らの「新たな趣味に」と澤田流の門を叩いた。始めてみると師匠は「なぜか私を経験者だと勘違いして初級の曲を飛ばして教えた」。そのため三味線の伝位試験の直前に「習っていない曲がある」と気が付き、慌てて初級の曲を覚えたことも。無我夢中で練習し、追求する内にその音色と奥深さに魅せられ、いつの間にか「三味線が生活の中心になっていた」と振り返る。
○…元々音楽を専門的に学んだこともなく「ピアノはバイエルまで」。穏やかな人柄からは想像もつかないが趣味は剣道や居合、武道といった肉体派。そんな活発さからか、三味線の得意楽曲は今回のライブでも演奏する、曲調の激しい「じょんがら節」。おまけに三味線のボディを撥(ばち)で叩く奏法も師匠から男勝りな音と言われる程の力強さで「元々の性格も関係してるかも」と苦笑いして見せる。
○…三味線を仕事にしたきっかけは「母の死」。母はピアノや声楽などを教える教室を開いており、そのイキイキとした姿は「仕事が生きる張りになっていた」。そんな母が病気でこの世を去ったとき「人生は限られている。好きなことを仕事にして、長く続けていきたい」と強く思い、今では町田市のほか横浜で5つの教室を開くまでになった。これからもライブや教室を通して「日本の文化として多くの人に伝えたい」。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|