「(財)風に立つライオン基金」のチャンポン大使に任命された 佐藤 亜美(つぐみ)さん 成瀬台在住 27歳
認知症でも働ける社会へ
○…歌手のさだまさし氏が設立した「公益財団法人 風に立つライオン基金」は災害時などに医療や介護支援を行う。組織が取り組む「ふんわりチャンポン大作戦」は新型コロナウイルス感染症による福祉崩壊を防ぐために、さまざまな技能を持つ人々が協力し合い、施設に派遣されている。こうした活動を発信し、地域から啓蒙する役割を担う”チャンポン大使”に、このほど市内で初めて任命された。
○…大学を卒業後、大手の老人介護施設へ就職。現場を知りたいと飛び込んだが「何もできない自分の力のなさに自信を失った」。もっと能力を付けたいと、ビジネススクールで学び直す。その後、3つの施設で働き、もがき苦しみながらたどり着いた先が現在勤めるデイサービス施設。認知症の人の「働きたい思いを叶える」という理念に光を見い出した。
○…幼少のころからピアノや英会話、そろばんなどに通ったが、習うことよりも好きだったのは地域の大人たちと関わること。何でも知っていて、教えてくれる大人たちがまぶしかった。この世界に入ったのも目上の人を敬う気持ちが根底にある。施設でも年上の利用者から親しまれ、友人同士のような関係を築く。楽しそうに働き、明るく声をかける言葉に利用者たちも喜んで返す。
○…「さだまさしさんに認められて、ご飯に誘ってもらえたら嬉しい」。チャンポン大使としての活躍を認められたら、いつかそんな日が来るかもと夢見る。大きな目標は介護の世界を変えること。働く人たちの待遇改善はもちろんだが、施設の利用者でも希望すれば働ける選択が当たり前になることを願う。「認知症の人でも社会と関わりが持て、生きがいがあって居心地の良い場所を作りたい」
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