観光や企業の送迎事業を中心に行う町田市内のバス会社が、コロナ禍において大型特殊バスによる医療サポートを3月から始めた。車内の座席を移動させることで広い空間をつくり、問診場所やワクチン接種前後の待機場所として自治体や医療機関に採用を提案。貸切バスの稼働率が落ち込む中、新たな利用法を生み出そうと模索している。
忠生に本社営業所を置く(株)プリンシプル自動車は、大型からマイクロバスまで約50台のバスを所有し、FC町田ゼルビアの選手送迎や観戦ツアーなども企画する。コロナで学校の行事、イベント等が中止になり貸切バスの稼働率が3割と減る中、新しい事業の一つとして考えたサービスが医療サポートだ。
利用するのは車体の中央に車いすを乗車させる際に使う最新のエレベーター式リフトが付いた大型特殊バス(全長約12メートル)。水洗式トイレも付き、通常は正座席と補助席で50人以上が乗車できる仕様だが、レールに設置した座席を移動させることで車内にフラットなスペースを確保することが可能。ここに長テーブルやいすを置き、バスの横に受付用のテントを設営すれば、屋外でも手軽に即席の会場をつくることができる。
感染予防対策も
乗務員は乗車前に健康状態をチェックし、検温とアルコール除菌を実施。「車内も飛沫防止シートなどで徹底した感染予防対策をし、全車両に光触媒コーティングとオゾン燻蒸を施してウイルスを除去しています」と広報担当の庄司祐輔さんは安全面も強調する。
動く空間として
道が狭い場所に行くには機敏性の高い小型のミニバス(ハイエース)が役立ち、医療従事者の送迎車両としても利用を推奨。こうした新たな用途提案は、所有する貸切バスの稼働率を改善させることへもつながる。「会社としてもただバスを走らせるだけでなく、車内の空間を場所として提供し公共の場で使っていただけたらと考えています。ぜひご相談ください」と総務部の青木陸信部長。例えば不便な地域に住む高齢者のワクチン接種会場へのシャトルバス運行、問診や接種前後の待機場所としての需要を見込み、関係機関へ働きかけている。問合せは同営業所【電話】042・789・3100まで。
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