幕末の頃に始まり、1963年に市の無形民俗文化財に指定された三ツ目囃子の保存会である三ツ目囃子振興会(中島清会長)がこのほど、文化庁の地域文化功労者として表彰された。長年にわたり三ツ目囃子の保存と継承に尽力し、地域文化の信仰に貢献したことが認められ、今回の受賞に至った。また、金井の獅子舞保存会は東京都知事が表彰する東京都功労者表彰を受賞した。
地域文化功労者表彰は、文化庁が全国各地で、芸術文化の振興、文化財の保護等、地域文化の振興に功績のあった個人や団体に対して表彰するもの。今年度は、全国で105の個人・団体が表彰された。
小山町を中心に市内外で活動している三ツ目囃子振興会には9歳から60歳までの約35人が所属する。受賞に際し、自身の祖父、父親と振興会を引き継いできた中島会長は「昔はよくコンクールで優勝し、他の団体から三ツ目囃子に追いつけ、追い越せと目標にされていた。今はコンクールなどに出場していないので、昔の功績が評価されたのだろう」と話す。コロナ下の昨年、今年は全体練習こそできなかったものの、地元の日枝神社での夏祭りには例年通り参加。「もともと囃子には疫病退散の役割がある。今だからこそ披露しなくては」と中島会長。また8月には日比谷野外音楽堂に招集され、東京五輪応援プロジェクトの映像収録を行った。中島会長は「伝承していくために新しいことにも挑戦していく」と話している。
文化財保護の振興に貢献
江戸時代から約350年、金井町で踊り継がれる「金井の獅子舞」の保存会も都功労者表彰(文化功労)を受賞した。
同会は、毎年9月に行われる八幡神社例大祭での奉納を基本に、町田市郷土芸能祭や金井小のサマースクールなどで舞を披露。3年前には東京オリンピック組織委員会が主催した東京2020大会の機運を盛り上げるイベントに出演し、伝統文化を披露してきた。保存会の齋藤光一会長は「皆さんがよくやってくれるのが評価されて嬉しい。今後の課題は人集め。このまま絶やすわけにはいかない」と話す。同会には132軒の会員がいるが、舞をまう「獅子連中」は高校生から70代までの10人ほど。「特に、約3キロの獅子頭をまといながら動ける若い人に入ってもらえたら」と齋藤会長。
金井の獅子舞は、主に雨乞いと五穀豊穣などを願う三匹獅子舞。獅子のほか、河童や天狗、旗持ち、神官などの役割があり、衣装や小道具をまとった29人ほどで隊列で歩く「道行」から始まる。コロナ下で直近2年間は行えていない。齋藤会長は「月1回の練習もこれまではできなかった。来年9月に向け再開させたい」と話す。
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