町田天満宮 宮司 池田泉 宮司の徒然 其の98
鳥に国境
私が知っている鳥。凡そ一般的。実際に見た野生の鳥は、スズメ、カラス、メジロ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アオサギ、ドバト、キジバト、コゲラ、アオゲラ、カワラヒワ、ヒヨドリ、ムクドリ、ホトトギス、ウグイス、シジュウカラ、ジョウビタキ、キジ、オナガ、コジュケイ、ツグミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイ、ヒバリ、モズ、カワウ、カルガモ、トビ、カモメ、この程度か。写真は境内の梅の蜜を吸うメジロと最近よく飛来するジョウビタキ(かなりピンボケ)。
この時期になると、カワラヒワとメジロの群れが境内で賑やかにしている。つがいのシジュウカラもよく見かける。鳥たちもいよいよ春近しといったところか。メジロたちは明らかに梅の開花を待ち焦がれている。花が終わりかけの梅の木にメジロが群れて蜜をせわしくついばむと、風もないのに花びらがチラチラと舞い散る。その頃には春を肌で実感できるようになっているだろう。つまり私も待ち焦がれている。コロナもピークを越えて、感染者数が減少していくようになれば、もはや終息が来るとは思えないものの気分は少し楽になる。しかし、梅が終わればソメイヨシノが足並みを揃えて咲き誇り、桜の花見が大好きな民族の心が浮かれてしまう。コロナは日本の年中行事に伴ってグラフを上下させ、まるで年中行事に遅れて上がるタイドグラフ(潮位表)のような慣習的なものになっている。
鳥は国を選ばない。殊に渡り鳥はその先々で人々に季節を知らせ、心を和ませる。人類が未曽有の疫病にさいなまれている時に、武力を見せ合って、威嚇し合っている場合ではない。もっと手を取り合って未来を見れないか。せめて今こそ世界的な停戦の約束などできないものだろうか。鳥のみならず、人間以外の生き物は国境など知らない。誰しも知っているかもしれないが、敢えて口にしないこと。そう、地球が一番必要としない生物は、現在人間そして独裁者。
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宮司の徒然 其の142町田天満宮 宮司 池田泉5月16日 |
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