先の市長選挙で5選を果たした石阪丈一町田市長が3月31日、本紙のインタビューに応じた。これまで4期16年の市政運営を振り返るとともに、「なりたいまち」を叶える未来を見据えたビジョンの推進など、今後の市政運営の方向性について話した。
――これまでの市政運営を振り返ってください。
「『すべての世代の人々に生活の質の向上を実感していただくこと』は、ずっと力を入れて取り組んできたことです。生活の質、いわゆる『QOL(クオリティ・オブ・ライフ)』ですが、これは高齢者から子どもまで、すべての世代に当てはまるもの。例えば高齢者の方々に対しては、介護予防トレーニング『町トレ』や認知症の人と地域が繋がる場『Dカフェ』の実施等を通して、住み慣れた場所で安心して自分らしく暮らせるような環境を整えました。また子育ての面では、子どもたちに学校以外の居場所が必要と、6年生まで入れる学童保育クラブや放課後子ども教室『まちとも』を充実させ、複数の選択肢を作ってまいりました」
――他には何かありますか。
「南町田の鶴間公園、薬師池公園西園ウェルカムゲートを整備してきたことで、これまでの『町田の公園』のイメージが変わったと言われます。ただ子どもたちが遊ぶだけの公園ではなく、誰もが居心地の良さを感じられるものに。これもQOLの向上につながりますよね。公園を一つの要素に、『町田』のイメージを上げていきたいです」
――昨年終了した「まちだ〇ごと大作戦」は盛り上がりましたね。
「2018年の市制60周年を契機に3カ年の計画で始まり、1年伸びて昨年無事に終了しました。市民が地域で自らやってみたいと思う取り組みを『オールまちだ』体制の実行委員会とともに、市役所も組織一丸となってサポートしました。結果、4年間で272件の作戦が実施され、累計200万人以上の市民が参加し、地域において様々なつながりを生み出しました。想定以上の盛り上がりでしたね」
――5期目はどのようなところに重点を置きますか。
「約20年後までの未来を見据えた新たな基本構想・基本計画の『まちだ未来づくりビジョン2040』がスタートします。ビジョンのうちの一つの『ココチよさ』をかなえるためにも、多摩都市モノレールの延伸の早期実現は最重要事項です。昨年末にル―トが選定され、距離が長いルートに決まりましたが、それは市民の利便性を重視したからです。都心への通勤などのほか、免許返納などで自動車を運転しなくなる高齢者の移動の権利を保障するものになります。そのあたりはこれからも丁寧に説明していき、これまで以上に事業の加速化を図り、新駅周辺の街づくりに向けた本格的な検討をしてまいります」
みんなの「なりたい」がかなうまちに市民の利便性向上めざす
――市外からも人を呼びたいですね。
「先ほどお話しした、『公園で町田のイメージ向上』の件ですが、やはり町田駅から徒歩圏内の『芹ヶ谷公園』の整備は欠かせません。町田を代表する公園にしなければならない。芹ヶ谷公園と国際版画美術館、25年度末に開館予定の(仮称)国際工芸美術館とを一体的に整備し、"芸術の杜"パークミュージアムの実現に取り組んでいきます。市民の要望を受け、公園南側入口から園内に入るためのエレベーターを取り付けます。自転車も載せられるサイズです。ただ上下するためのものではなく、ガラス張りでそこからの景観を楽しめるようなものにします。ビジョンに示す行政経営の姿は『みんなのなりたいがかなうまち』です。市民の声を市政へ反映していくとともに、町田市の持つ魅力や強みを活かし、市民一人ひとりの生活をより豊かなものとする行政経営を進めていきます」
――最後に読者に向けてメッセージをどうぞ。
「市民の利便性向上と市役所の生産性向上の実現のため、市役所の仕事はこれから、デジタル化で大きく変わります。デジタル化によって"冷たくなる"ということはなく、デジタル化が加速するということは、より親しみやすくなるということなので、便利になり、優しくなると受けとってもらいたいですね」
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