幕末から明治期の激動の時代、一般庶民は日々をどう暮らしていたのか。そんな様子が垣間見える書籍が6月1日、小野路にある私設資料館「小島資料館」から刊行された。
『博愛堂史話〜幕末名主日記に見る江戸近郊の世相』と題した書籍で、市内で発行されている地域情報紙「町田ジャーナル」に連載中の歴史コラム131回分をまとめたもの。著者は同館館長の小島政孝さん(写真中央左)をはじめ、重政文三郎さん(写真中央右)、辻清司さん(写真左端)、荒井仁さん(写真右端)、廣井理恵子さん、中井静雄さん、故・高場康禎さんの7人。
小野路地区で代々名主を務めた小島家に残る天保7(1836)年から86年分ある「小島日記」や、”メモ魔”だったと思われる20代当主・小島鹿之助の「梧山堂雑書」などから、7人それぞれが独自の視点で読み解き、まとめたコラム。書籍化にあたり、▽村の風景▽人物点描▽新選組こぼれ話、などに章立てて紹介している。
名主と農民「家族のよう」
同書によると、小島家には日ごろから多くの人が訪れ、手土産を持参している。南蛮菓子の金平糖や亀の甲せんべい、松露羊羹などが記録されており、羊羹を4日後に野津田村の名主におすそ分けしたことまでわかる。
ほかにも、幕府崩壊のきっかけとなった長州戦争へ小野路村から出兵し戦死した農民がいたことや、親交のあった新選組の近藤勇から結婚祝い金が贈られたことがわかる記述などがあり、名主が農民の面倒を「家族のように」よく見ていたことが窺える。
「コラム用に書いたので面白ネタを扱っていることが多い。歴史資料としても、読み物としても楽しめるはず。日記の面白さが伝われば嬉しい」と小島館長。問い合わせは小島資料館【電話】042・736・8777へ。
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