サップとパドルボードの選手権大会が6月11日、12日の2日間、静岡県下田市で開かれ、町田市出身の奥秋李果さん(28)がディスタンス、テクニカル、スプリントの3つの種目でそれぞれ優勝する快挙を成し遂げた。これにより奥秋さんは日本代表として、11月に中米・プエルトリコで行われる国際大会への出場を決めた。
サップ(SUP)とはスタンド・アップ・パドルボードの略称で、不安定なボードの上に立ち、パドルを漕いで水面を進む競技。沖縄の離島、座間味島でカヤックやサップなどマリンスポーツのインストラクターとして働いている奥秋さんは、2017年に座間味島で行われた国際レースに参加し、アマチュア部門で優勝したことをきっかけにサップ競技を本格的に始めた。現在はサップレース日本代表として競技に参加するほか、キッズチームのコーチとしても活動している。
今大会では、マラソンのように長い距離でゴールを競うディスタンス、波打ち際のスタートから沖に設置された3つのブイを回って帰ってくるテクニカル、沖合100mという短距離のスピードを競うスプリントの3種目が行われた。奥秋さんは「それぞれ海域が異なり、波の大きさや潮の流れが違うなど、種目に合わせた会場でレースが行われ、まさに世界に繋がるレースだと感じました」と振り返る。
スピード勝負のスプリントを苦手としていた奥秋さん。「外国人選手に比べ、身体が小さく手足も短いため、どうしてもかなわない。だったらもっとパワーをつけないと」と自己分析。コロナ下で大会のなかった2年間は、子ども達に教えながら、自身のトレーニングにも精を出した。「とにかく子どもたちの一生懸命な姿に、私ももっと頑張らなきゃと思って」と笑顔で話す。その結果が3種目とも優勝の栄冠。国際大会への出場権を得た奥秋さんは「素直に嬉しい。世界でまた、中南米の選手とレースができる」と話す。19年にエルサルバドル大会に出場し、長距離・テクニカルで銅メダル獲得。短距離は7位だった。
町田で見守る母の里美さんは「小さい体で波を乗りこなす姿に練習の成果を感じました。ケガのないように続けてもらえれば」とエールを送る。世界選手権は10月28日から11月6日に行われる。
![]() 賞状を手にした奥秋さん(左)
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