鶴川在住高木さん
将来広がる５日間
神奈川代表で日米外交を体験

プログラムのＴシャツを着用する高木さん
オンラインで米国の学生に日本を紹介＝本人提供

　町田市鶴川在住で桐光学園高校２年の高木彩良さん（17）が、７月にＡＩＧ高校生外交官プログラムに神奈川県代表として参加した。全国や米国の高校生との交流を通じて、高木さんは「人生が変わるような体験ができた５日間だった」と振り返る。

　同プログラムは日本の高校生を外交官として約３週間、米国に派遣。参加者は要所見学やホームステイなどを通じ、日本や米国の政治や歴史、文化など見識を深める。今年は渡航せず、試験を通過して全国から選ばれた40人が千葉県船橋市に集合。７月の５日間、プレゼンテーションや英語討論などに取り組んだ。

　中学生の時にプログラムの存在を知った高木さん。国際関係や英語に興味があり、「学生のうちに外国文化に触れておきたい」と挑戦した。一番印象深いのが同年代の参加者とのディベートだ。日本の教育などのテーマについて、学生同士で議論が進む姿に刺激を受けた。「みんなが意見を持っていて、相手の話を受け入れながらも話が展開していく。新鮮だった」と目を輝かせる。

　言葉の壁には苦労した。米国の高校生と、オンライン上で英語で会話やディベートをする機会が設けられていたが、「なんとなく相手が言っている内容はわかるのに、自分の言葉がうまく出てこなかった」と高木さんは悔しさを滲ませる。苦い経験だったが「もっと英語で話せるようになりたいと思ったし、体験できてよかった」と今後の糧となったようだ。

経験を地元へ還元

　５日間の経験は将来の夢にも影響。参加前は、国際関係の進路は諦め、知的障害のある妹をきっかけに障害科学を学ぶことを考えていた。プログラムを通じ「日本だけじゃなくて、世界でいろんな人に出会って個性に寛容になり、困っている人の力になりたい」とやりたいことが広がった。「自分とも深く向き合えた。経験を地元でも還元できれば」と前を向く。