市立大蔵小学校(山崎聡校長)の体育館で12月7日、「藁すぐり」が行われた。これは毎年、同小の5年生が実施するしめ飾り作りの準備のためのもので、地域の老人会である鶴寿会(矢島芳雄会長)の協力のもと、5年生児童らの保護者、約20人がしめ飾り作りの講習を受けた。田んぼから出た藁を活用する先人の知恵を地域から親、親から子へと伝承する。
講師として呼ばれたのは大蔵町に住む鶴寿会の元会長で鶴川中学校の元校長、中溝正治さん(96)。同地域で30年以上、しめ飾り作りを伝授しており、同小で4年次の総合の授業で地域の郷土歴史を学習する「大蔵の昔」の講師にもなっている。当日は同地区の青少年健全育成活動を共にしている高橋初枝さん(73)も参加した。
「藁すぐり」とは藁についている枝葉や余分な袴を取り除き、まっすぐの藁を作る作業。鶴寿会のメンバー4人が協力し「藁すぐり機」を使って、より合わせやすい藁の束を作っていった。今月20日には児童らがしめ飾り作りを実施する。保護者らはそこで児童らに指導できるよう、作り方を詳しく学んだ。また児童全員が共有するため、中溝さんらが見本で作る様子は映像に収められた。
野菜作りや昔遊びなどで児童らと交流している鶴寿会の矢島会長は「平均年齢は80歳。会のクラブ活動もコロナ禍で中止になったり、集まりが悪くなっている。独居家庭も増えており、出てくるメンバーも減った。本来は我々が直接児童に教えればいいのだが、人数が揃わず力仕事も難しい。こうして親を巻き込んで伝承できれば」と話す。また「しめ飾りは簡単に買えるものだが、体験することで、地域に田んぼがあることなども心に残るはず」と意義を話す。保護者の一人、赤木英美さんは「子どもが楽しみにしているので仕事を休んで参加した。この地域ならではの体験。自分が子どもの頃も経験しなかったから、難しいけど楽しい」と話していた。
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