26年続けた日大三高野球部監督を3月末に勇退する 小倉 全由(まさよし)さん 図師町在住 65歳
「日本一幸せな監督生活」
○…「一生懸命やり切ればプラスになって帰ってくる。周りの人が応援してくれる。俺は何事も一生懸命やってきて、良かった」。選手らの前でそう述べて退任を報告した。半月板の手術をしたのは12年前。ノックを打つ際に膝に負担がかかり、思うような打球を飛ばせなくなってきた。「歳を感じたよ。60歳を過ぎたころ、65歳の定年が節目かなと考えた」と振り返る。「意外とあっさりしているよ、自分で決めたことだから」。清々しく語る。
○…千葉県一宮町で生まれ育つ。日大野球部に在籍していた6歳上の兄の勧めで日大三高に入学。レギュラーにはなれず、日大へ進学後は野球部に属さなかったが、声がかかり、母校のコーチに。それが後に甲子園出場22回、優勝2回、準優勝2回の名将を生んだ指導者人生の始まりだ。
○…コーチ時代と関東一高監督時代に電撃解任を経験。一時は野球から離れ、一教師として生徒たちと向き合った。それでも母校の監督の依頼がくると「やっぱり戻ってきちゃった。でも回り道したことで、指導の幅が広がった」。単身赴任で寮で寝食を共にする選手たちには褒めて伸ばす指導を行う一方で、マナーや礼儀を怠ると雷を落とし、後で叱った理由をしっかり説明した。「野球だけを極めても、全国で優勝できるような選手にはなれない」と、人としての成長を促した。
○…「引退後何をするか全く考えていないが、女房とゆっくり旅行はしたいな」。好きな野球に没頭できたのも、妻が家庭や両親を守ってくれたから。家族にも、学校にも、好きなことに一番浸っていられる環境を与えてもらったことを感謝する。そして「高校野球の監督は全国に4千人近くいるが、自分が一番幸せだった」と胸を張る。
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