町田市の消防団員の定員割れが続いている。消防団を支援する市は火災が増える冬に向け団員を増やそうとSNSを活用した広報活動などを進めるが、現状改善にはつながっていないようだ。
町田市消防団の団員数は8月1日時点で498人。適切な救助体制が図れるとされる定員が660人であるのに対して、大幅な欠員がみられるようになって久しい。親から子へと引き継がれるなど、「街の守り役」は核家族化が進み、「団員になるべき」という意識が薄れてきているようだ。町田市内では現在、団員不足に悩む地域は高齢化が進むエリアであることが少なくなく、親世代が引退するとなり手がいなくなる――状況にある。
市担当者は「団員数が減少すると、現在、36地区に分かれている消防団の合併も考えていかないといけない。ただ、合併により、遠いエリアへの出動になると救助が遅れるなどの問題も発生する恐れがある」と話し、市としては「火災が増える冬を迎える前に団員数を増やしたい」と危機感を募らせる。
PR強化で改善も
市は対策を進めている。従来のように「口コミ」だけに頼らず、SNSを開設して、消防団の活動をPRし、防災イベント会場内での周知を進めるほか、東京都住宅供給公社と提携し、消防団に入団すると家賃割引を受けられるようにするなど、そのメリットをアピールする。
市担当者は「今年は入団者数が退団者の数を上回っている。最近は若い世代の入団者も増え、SNS発信に手ごたえを感じているところ。今後も周知を徹底していきたい」としている。市消防団に関しては市・防災安全部防災課【電話】042・724・2107まで。