東京都内の児童相談所が2022年度、児童虐待に関する相談を受けて対応した件数が2万705件だったことがわかった。こども家庭庁が先ごろ発表。増加の要因について八王子児童相談所と連携し、対応する町田子ども家庭支援センターの担当者は「町田市内では、関係各所が連携し早期発見ができるような取り組みを進めている。子育て支援のネットワークをより強固にしていければ」と話した。
同庁による速報値では、全国の児相で虐待に関する相談を受け対応した件数は21万9170件だった。32年連続で増加し過去最多。都では21年度の2万6047件から5342件減ったが、これは児相を開設した特別区の件数を今年度から統計から除いたためという。八王子児相は町田のほか、八王子、日野の3市を管轄し、警察署や医師会、教育機関などと連携しながら相談に対応している。同児相への町田市内の相談・対応件数は16年度に408件だったものの、21年度には866件と5年間で約2倍に。上昇傾向にある。
子ども家庭支援センターの担当者は「関係各所と定期的な情報交換などを進め、虐待が疑われる子どもを見つけたら、すぐに共有できる体制が整っている。件数増加はその結果もあるのではないか」とする。
面前DVは「心理的虐待」
昨年度の全国の児相が対応したケースでは、心理的虐待が12万9484件(59・1%)と他の虐待と比べて最多となった。その中でも、子どもの前で家族に暴力を振るう「面前DV」の増加が目立ったという。面前DVは子どもへの心理的虐待にもあたり、担当者は「昔なら夫婦げんかとして見過ごされてきたが、現代では看過されなくなっている」と指摘する。
町田児相を新設
一方、21年に厚生労働省が定めた「管轄区域の人口がおおむね50万人以下に1カ所」という基準に合わせ、町田市に児相が新設される。今年2月に発表されたもので、管轄する都によると町田児相の建設は現在、交通の便や土地の広さなどの条件を踏まえながら、候補地の調査をしている段階であるという。その他、西多摩などでも新設される。
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