油絵画家として活動するなか、平和を考える市民団体を立ち上げた 木村 巴さん 野津田町在住 76歳
感じたこと そのままに
○…長く油絵を描き続けてきたなか、平和について考える活動を行う人たちに触れ、自分も発信したいと考えるようになったのが始まり。声をあげると思いを共有する人が名乗り出てくれ、市民団体を発足。最初の取り組みとして先ごろ、被爆体験を語り継いだ女性の実話にもとづく物語の映画上映を手伝った。「町田でより平和について考える機会が広がっていけば。私は描くことで表現していきたい」
○…元々、描くことは「特別」ではなかった。中学1年生の夏休みに課題で描いた1本のバラの油絵。新学期に先生から高評価を得たのがうれしくて、「自分の心の居場所は絵」と考えるようになった。以来、絵に没頭。石膏像のデッサンに励んだ中高時代は夢中になってキャンバスに向かう毎日を過ごした。今につながる原点。なつかしさもある。
○…これまで多くの作品を残してきた。現代社会を描いた絵は芸術として評価されにくく悔しい思いもしたが、自分の中に生まれた感情をまっすぐ描き、「描きたいものをそのままに」という思いが揺るぐことはなかった。気分転換となってきたのは部屋に飾るリースづくり。草花や木の実を用いて美しく、枯れた植物にも新しい命を吹き込めるのが魅力。自然豊かな町田は「散策し、材料を集めに最適な場所だった」と声を弾ませる。
○…移り変わる時代の中でその動きを敏感にとらえて表現できる画家でありたいと考える。皆が不安をもつ中、感じたことを素直に伝えられるように--。そんな思いで手掛けた作品が誰かの心に響いてくれればと願い、きょうも描く。「憤りを感じることも多い世の中、懸命に生きる人たちの思いを絵を通じて代弁していければ」。優しい目でそう意気込む。
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