南大谷在住で、高校3年の芹澤零音さんが代表を務める「心肺蘇生」の普及にあたる団体が先ごろ、中高生の優良なボランティア活動を紹介する賞の最高評価を受けた。芹澤さんは「この受賞が活動の周知につながれば」と話している。
芹澤さんらが今回受賞したのは「ボランティア・スピリット・アワード」の文部科学大臣賞の高校生部門。全国で行われている高校生のボランティア活動のなかから選ばれたもので、芹澤さんが2022年に立ち上げた団体、日本応急手当普及員協議会の活動が評価された。芹澤さんらはこれまで、心停止時などに使用する医療機器「AED(自動体外式除細動器)」の普及を呼びかけ、心肺蘇生教育の充実化に向けた取り組みなどを進めてきたという。「驚いた。まさか私たちが最高賞とは考えていなかった。この受賞が活動の周知につながればと思う」と芹澤さんは笑顔をみせる。
「進まない」
一方、心肺蘇生に関する取り組みは思うように進んでいないのが現状という。日本応急手当普及員協議会は中高生中心に50人ほどのメンバーで構成される団体。行政などにAEDの普及に関して呼びかけてきたが、「高価な機器、予算がない」「前例があれば設置に向け検討できるが…」などの理由で話が前進していないという。
芹澤さんは「これからという段階。応急手当に関する資格を取得した際に個人ではその普及に限界があると感じ始めた活動だが、会の取り組みを通じて協力者が増えていることは大きな前進。ありがたい」と話す。
教育の充実化も
そして今後については、学校教育における心肺蘇生教育の充実化に向け、より声をあげていきたいと話す。「関係各所を訪問し訴えている。先日たまたま、交通事故現場に居合わせたが、何も対応できずに野次馬となる人がほとんど。学校で学ぶ機会が増加すれば、心肺蘇生などにあたる人が増え、助かる命はあると思う」と力を込める。
地域の健康づくりにあたる町田市医師会の山下弘一会長は芹澤さんの取り組みについて、「誰もがAEDを使えて、心肺蘇生ができるようになれば今よりもずっと救命率がアップする。今後も活動を続けてもらいたい」と期待を寄せている。
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