三輪町在住の伊達清武さんが27日(土)に開幕するパリ五輪に水球・男子日本代表の一員として出場する。伊達さんは初めての五輪に「挑戦するぞ、という気持ち。自分がどれだけ世界に通用するか楽しみ」と話している。
水球は7人で構成された2チームがプール内に設置されたコートで相手ゴールを目指し、ボールをつなぐ競技。ゴール数を競い、3大会連続出場となる男子日本代表は五輪への予選となった昨年行われたアジア大会で53年ぶりに優勝し、勢いに乗っている。
伊達さんは左右のサイドのポジションを務めることが多く、パスをつなぎ、チャンスがあればシュートを狙う攻撃的なプレーヤー。「仲間のアシストができて、得点も決められる。そんなバランスの取れた選手を目指しています」と話し、中国とのアジア大会決勝戦を「負けられないというプレッシャーがあった。優勝してパリに向かうことができて良かった」と振り返る。
伊達さんは現在、ガス会社の「東京ガス横浜中央エネルギー」(横浜市)に籍を置きながら、母校である日本体育大学(同市)で練習に励む毎日を送り、6月には五輪に向けた合宿で体力強化を図った。「日本人は身体が小さい選手が多いので、試合ではその分消耗してしまう。動き続け、スピードで相手を引き離すための体力が必要と考えている」と話す。
「悔しくて」
水球の選手だった父親に連れられ、小学3年生の時に地元埼玉県で活動するチームの練習に参加したことが競技との出会いとなった。チームに加わると当初、練習の厳しさに「やめたい」と思うことが何度もあったというものの、4年生となり初めてレギュラーとして出場した全国大会で敗戦し悔しい思いをしたことが競技に没頭するきっかけになったという。「悔しくて。それから強く日本一を目指すようになりました」
そして、6年生で初めて全国大会優勝を果たすと中学、高校でも日本一の称号を得ることに。「水球は水をいかに使うか工夫するところがおもしろい。水は繊細。手の少しのとらえ方で動きが変わるんです」と伊達さんはほほ笑む。
初戦は28日
五輪で目指すのは男子日本代表初のベスト8入りという。12チームが2つに分かれて総当たりの予選リーグを行い、8チームが決勝トーナメントに進む大会。「何としても予選を勝ち抜きたい」と伊達さん。日本の初戦は28日(日)。前回東京大会で優勝したセルビアと対戦する予定になっている。
全国や世界レベルで活躍し、町田のスポーツ界に貢献した選手やスタッフなどを表彰する「スポーツアワードまちだ」で今年、グランプリを獲得した伊達さん。アワードを企画する町田市のスポーツ文化振興などにあたる団体「SPORTSまちだホームタウン協議会」の幹事長である榊原高さんは伊達さんについて、「日頃から考え、チェレンジしている選手。結果を出すために何度も諦めずに挑戦している」と話し、「強い意志がある。必ず結果が付いてくると思う」と期待を寄せている。
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