原町田在住の渋谷義夫さんが現在、静岡県浜松市の博物館に展示されている戦闘機「零戦(ゼロ戦)」の解体と復元作業に加わっている。専門的な知識、技術を求められる作業を依頼された渋谷さんは「昔の日本の技術者たちの力が結集して作られている零戦。その解体に携わることができてうれしい」と話している。
渋谷さんが作業にあたるのは、静岡県浜松市にある航空自衛隊浜松広報館エアーパークに展示されている第二次世界大戦で使用された零戦の解体と復元。展示場所の移設に伴い、これまで天井に吊り下げられていたものを地上に下ろし、より来館者の目につくようにする予定という。
解体作業は5月下旬から始まり、渋谷さんら専門的な知識、技術をもつ全国から集められたメンバーは週に1、2回、浜松を訪問し、作業にあたってきた。渋谷さんは「改修を重ねてきたためか、設計図と異なっている部分がある。調べるのが大変」と感想を話す一方で、「プラモデルのようにつくっていく楽しさも感じる」と笑顔をみせる。
渋谷さんと共に解体作業に加わっている金森在住で会社経営者の倉本俊司さんは「何よりも、有名な飛行機に触れられることがうれしい」と話す。
「やってみたい」
今回の零戦の解体・復元は自身の古巣である自衛隊からの依頼だった。18歳で自衛隊に入隊し、当時最年少でジェットエンジンの整備士となった渋谷さん。技術者として活躍し続け、自衛隊退職後は町田駅前で実家の居酒屋を営む傍ら、「趣味」という形で修理を受けるなど、飛行機に関わる知識・技術の幅を広げてきた。「零戦の解体は今回が初めてのこと。ぜひ、やってみたいと思った」と振り返る。
秋以降公開
今後は、解体した機体を組み立てる作業にあたっていく予定といい、渋谷さんは「作業を進めるなか、零戦を作った有能な技術者たちが戦争で命を落としているのは惜しいことだと改めて思う。現在の日本の技術の根源となるものが詰まっている。次世代に伝えていくべきものだと考えている」と話す。
機体は、同館の展示格納庫から展示資料館2階に移設されるといい、公開は復元完了後を予定。問合せは同館【電話】053・472・1121へ。
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