町田市役所2階の食堂が今秋、営業を再開する。新たな運営会社には、市の公開プロポーザルを経て、山崎団地などで飲食店を営む株式会社A.I.FACTORYが選出された。同社代表の綾野光紘さんは「地元食材を用いるなどし、町田の魅力を発信できる場所にできれば」と意気込みを語る。
昨年3月に閉店した市役所内の食堂――。市の担当者によると、市民や職員からの再開への要望が強く、多くの声を受けて運営再開が決定されたという。
担当者は「閉店後は会議スペースなどとして利用されていたが、毎日利用していた高齢者や専門学校の学生なども多くいた様子。需要が大きかった」と話す。
無限に
新たな運営会社の選定は、公開プロポーザルを経て先ごろ、山崎団地を拠点に「もつ鍋処さくら」や「CAFE&DINER88」などの飲食店を営む(株)A.I.FACTORYに決定した。
食堂は「〜町田の台所〜 キッチンパチパチ」と名付けられる予定で、運営する山崎団地の飲食店「88(パチパチ)」の店名から取ったものと話す綾野さんは「8を横にすると∞(無限)。この名前には、無限に広がるアイデアと成長を象徴する意味を込めている。山崎団地の店を拠点に、事業を拡げていければうれしい」と笑顔を見せる。
そして、「15年間、愛着をもって飲食店を経営してきたなかで、いずれは駅前での出店もできればと考えていた。市役所の食堂は老若男女さまざまな人が来店する町田市の顔となるような存在。大きなチャンスだと感じている」と語る。
10月末
新しい食堂は、現時点で10月末ごろの再開を予定している。食券機の導入を検討し、メニューには地元食材を積極的に取り入れていく考えだ。障害者施設で販売される商品の取り扱いも検討しているという。
町田産の野菜を使用したカレーや味噌汁のほか、町田シルクメロンや地元牧場の牛肉などを提供していきたいとする綾野さんは「食堂を通じて町田の魅力を発信し、市内外から愛される場所にしたい。さすが町田市の食堂だね、と思ってもらいたい」と抱負を語る。「地元企業との連携を通じた広がりも視野に入れていければと思う」としている。
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