森野を拠点に釣り人に向けた釣果情報の共有サービスなどを提供する(株)アングラーズが先ごろ、神奈川県横須賀市を舞台に新しいビジネスを行う事業者を応援するスタートアップオーディションinYOKOSUKAで最高賞を受賞した。釣り船予約システムで集客促進を図る内容を提案し奨励金100万円のほか、協賛企業5社からも協賛賞を獲得した。
釣った魚の写真をアプリから投稿すると位置情報からその日の天気・気温・風速が記録されるサービス「アングラーズ」を2013年より提供している同社。そのサービスのユーザーは投稿から、「いつ、どこで、どんな種類の魚が釣れたか」を一目で確認することができるようになり、現在ウェブ上で月間約130万ユーザーが利用しているという。
横須賀市が主催した今回のオーディションでは今年6月に開設した釣り船予約システムを提案し、同社のCEOの若槻嘉亮氏が「飲食業や美容業でウェブ予約が取り入れられている中、釣り業界はまだ電話予約が中心。予約の敷居を低くすることでより多くの釣り人を呼び込める」と説明。釣りのメッカである横須賀での予約システム導入における経済効果について、横須賀市内130の釣り船が予約システムを導入し月間で満席になった場合、約7・5億円の売り上げが見込まれる(同社調べ)とした。また、同市の日帰り消費単価が3428円であるのに対し、釣り船は約1・2万円である点からも「来訪者により多くの消費を促せるのでは」とアピールし、最高評価につなげた。
一方、同社はさらなる展開として、釣った魚を飲食店が調理してくれるプランや早朝の釣り需要に対応した前泊プランなども構想中といい、「『横須賀を釣りのメッカから特区へ』を合言葉に、初心者層からコア層まで幅広く釣りを楽しめる仕組みを構築していく」と話している。
17回目の開催となった同オーディションには過去最多33件の応募から7組のファイナリストが選ばれ、各10分間のプレゼンを実施。同社のほか3社が入賞したという。
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