故郷である石川県の復興支援コンサートで今月、琴の演奏を行う 川田 昭美さん 原町田在住
音楽で地元の力に
○…小山ヶ丘で行われる石川県の復興支援を目的としたコンサート。ジャズグループに名を連ね、琴の奏者として舞台に上がる。元日に起きた能登半島の地震。故郷のために何かしなくてはと模索するなか、市内で同じ思いでいる人と出会い、意気投合。開催に結びついた。「素晴らしい文化と伝統がある石川を知ってもらいたい。音楽で少しでも地元の力になれれば」
○…琴に触れて約60年。1つの楽器を極めるなか、コンピュータミュージックにも強い関心を抱いてきた。琴などの日本に伝わる古典楽器は「素晴らしい」と感じる一方、一般受けするものではないという思いから、パソコン上で和洋古今を融合させ生み出す音色をもって音楽をより多くの人が楽しめるものにしたいと考えている。机上でアレンジを加える時間はライフワークの1つになっている。
○…生まれ育ったのは伝統と近代が交わるまち金沢。「だからこそ、音楽の融合に関心をもったのかも。私の感性は金沢で培われた。環境にめぐまれていたと思います」。石川の魅力は食、文化、自然--と尽きないが、美しい景観が震災の影響を受けていることに胸を痛める。「流されてしまった砂浜の話を聞くと悲しい」
○…偶然の出会いに導かれ、この場にいると実感する毎日だ。ふらっと立ち寄ったジャズ喫茶で「重鎮」と呼ばれるドラマーと出会ったことが、今回演奏を共にするグループに加わるきっかけとなった。それぞれの楽器の良さを生かすべく未だ試行錯誤の日々だが、自分にしかできない新境地への挑戦と捉える。「和と西洋音楽が交わり、化学反応を起こす瞬間を作りたい」。それが故郷に元気を灯すと信じている。
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