町田市保健所は先月、インフルエンザの流行期が始まったと発表した。第46週(11月11日〜17日)の患者・定点把握報告数が流行開始の基準となる「1・0」を超え、以来微増が続いている。今シーズンは子どもを中心に感染する手足口病や伝染性紅斑(りんご病)の増加もみられる。
インフルエンザの感染者数は11月18日から24日(47週)までの間で定点当たり1・69人。流行開始が発表された46週の1・31人から増加した。町田市内の学校ではインフルエンザによる学級閉鎖も見受けられるようになり、市保健所担当者は「新型コロナウイルスの感染拡大の影響をうけ、近年はインフルエンザの流行が変則的になっている。今後の感染予測がしにくい状況」と話す。
インフルエンザは例年11月から12月にかけて流行し始めるが、2021年から22年にかけてはコロナ対策としてマスク着用が徹底されていたこともあり、感染が広がらなかったが、昨年は例年より2カ月早く流行が始まった経緯がある。市保健所担当者は「予防接種や、基本的な予防手段である手洗いうがい、咳エチケットを守ることを徹底してもらえれば」と呼びかける。
手足口病など増加
今シーズンは小児を中心に感染する手足口病やりんご病の広がりもみられる。11月末時点で共に減少傾向にあるものの、手のひらや足の裏、口の中などに小さな水ぶくれのような発疹を引き起こす手足口病は11月中に定点当たり16・13人まで増加した。
一方で感染して10〜20日後に両頬や体にレースや網目状の真っ赤な皮疹が見られるりんご病は先月、定点当たり3・75人まで増え、大人が感染することもあるという。成人が罹患した場合はリウマチのような手や足、膝などに関節炎が起き、発赤や痛みを呈するケースもあるといい、妊婦が感染すると流早産の原因になる恐れもある。
いずれの感染症も患者の咳やくしゃみなどに含まれるウイルスを吸い込むことによる飛まつ感染や、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる接触感染があり、町田市医師会の山下弘一会長は「手足口病などの子どもの感染症が例年より増えたのはコロナ禍の流行抑制により、免疫をもたない子どもたちが増えたためと考えられる。感染対策を徹底してもらいたい」としている。
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