町田市内で詐欺の発生が後を絶たない。電話で不特定多数から金銭をだまし取る特殊詐欺のほか、最近ではリフォーム業者を名乗った詐欺も横行しており注意が必要だ。被害の現状と有効な対策について、町田警察署・江口博行署長に話を聞いた。
◇ ◇ ◇ ◇
――特殊詐欺の被害状況を教えてください
「昨年の被害件数は12月3日時点で99件。前年の同時期と比べるとマイナス13件ですが未だ件数は多く、全体の7割を子や孫を装う『オレオレ詐欺』、市や銀行職員を名乗る『還付金詐欺』が占めています。さらに最近は、固定電話だけでなく携帯電話に詐欺の電話をかけてくる例も増えてきました。留守電設定の徹底に加え、知らない番号からの電話には出ないよう注意が必要です」
「そんな中でも昨年は、ウイルスに感染したパソコンを復旧させるなどの名目で、電話越しに電子マネーの購入を促す『サポート詐欺』の被害が大幅に減りました。コンビニ等でスタッフの皆さんが注意喚起を徹底してくださった効果が大きいものと感じています。まちの方々に防犯意識が浸透している証でもあり、感謝しています」
――署としてはどんな対策を
「広報車や高齢者宅への戸別訪問で注意喚起に力を入れているほか、ATMの警戒を恒常的に行っています。詐欺で誘導されやすいのは無人で台数が少なく、人目に付きにくい場所です。市内では玉川学園駅前・成瀬駅前のATMに誘導されるケースが多く、見回りや声掛けを徹底しています」
リフォーム詐欺相談増加
--どんな手口か
「リフォーム詐欺は、訪問してきた業者が『屋根の瓦がめくれている』などと言葉巧みに無料点検を申し出て、不必要あるいは法外な価格の工事契約を取るもの。最近通報や相談が相次いでいます。被害認知がしにくく、都内でも検挙例が少ないのが現状です(町田署では昨年10月に初検挙)」
--有効な対策は
「飛び込み営業には応じず、対応はインターホン越しで済ませるようにし、家の中に入れないことが大切です。無料で見てくれることに親切さを感じてしまったり、対面であることから信用し、だまされてしまう例も多いです。修理を依頼する際には、自分で調べるようにしましょう。住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル【電話】03・3556・5147)へ相談したり、国土交通省のホームページで正規の業者を調べるなどが有効です」
--昨今の強盗事件に結びつく恐れも
「昨年は首都圏各地で住宅に押し入る強盗事件が相次ぎました。これまで強盗は捕まるリスクの高さから目立った発生がありませんでしたが、近年SNSを使ってお金に困った若者を闇バイトとして集め、自らの手を汚さずに実行犯を徴収する手段が確立されてしまっています。強盗事件のうち練馬区で発生した事案は、リフォーム詐欺の過程で作成された名簿を使ったうえで下見が行われていたとの報道もあります。犯罪に使われるリストに載らないためにも、警察や公務員を騙った資産状況を確認する電話には対応せず、電話でお金の話はしないようにしましょう」
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