町田市の公共施設工事などに関する入札が2024年度、不調・中止に終わるケースが増加した。対象となった300の入札件数(3月7日時点)のうち、70件が不調・中止となり、市の担当者は「技術者不足や価格が折り合わないなどの理由が多かった。入札参加条件の緩和を図るなど対応していきたい」としている。
入札は公共工事や物品の調達において、複数の事業者に価格や条件を提示させ、そのなかから最も有利な条件を提示した者を選ぶための手続き。行政と民間事業者のゆ着を防ぎ、透明性を確保して適正な価格での契約を実現する目的がある。町田市は地域産業の発展を目的に公平性を確保したうえで市内事業者に優先的な発注をしている。
入札の不調・中止が今年度、増加したのは工事の発注に関して。直近の5年間のうち、20年度から22年度の3年間では入札件数の6、7%程度だったものの、昨年度ごろから増加。23年度は13%、今年度は23%にも及んだ。
価格高騰
入札を辞退した事業者などにヒアリングしたという市の担当者は「技術者不足が要因となることが多いようだ。また、価格が折り合わないといった理由のほか、世界的な半導体不足、価格高騰の影響で建築設備や建材の調達が困難という声があがった」とし、不調となった場合は「参加条件の緩和」「予定価格の見直し」「工事内容を分割し最優先する部分のみ発注する」――などのように対応しているという。
今年度行われた入札の1つ、木曽山崎コミュニティセンターの改修工事は2回の入札中止を受け、最優先する改修部分のみの工事を再発注することで、ようやく契約に至った。
「見直し必要」
この状況に町田市議会議員の新井克尚さんは「資材などが高騰しているなか仕方がないことと考えている。予定されている学校の統廃合などの計画を見直す必要があるのではないか」と指摘する。
一方、市は25年度以降の入札不調解消に向け、前払金などの支払限度額の見直しを始め、建設資材の調達や労働力確保のための余裕期間を設ける制度を試験的に導入していくとしている。
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