児童養護施設「精舎児童学園」(木曽東)に4月、新たな施設長が就任した。施設で暮らす子どもたちの未来を支えるため、どのような運営を目指すのか。新施設長の桑原彭元さんに話を聞いた。
家庭の事情により親と暮らすことができない子どもたちが安心して生活できる場として運営されてきた精舎児童学園。桑原さんの祖父が設立し、幼い頃は施設の子どもたちと一緒に生活してきたという。桑原さんは「これまでの学園の良さを引き継ぎつつ、地域とのつながりをさらに強めていきたい」と意気込む。これまで外部との関わりが限定的な側面もあったが、今後は「地域の子どもたちとも交流できるような、より開かれた施設を目指す」としている。
一方で、「学園の子どもたちをしっかりと守ることが第一」とも強調する。外部との連携を進めつつ、子どもたちにとってより良い環境づくりに努めていく考えだ。「最終的な責任者として、子どもたちが安心して暮らせる環境をつくることが大切」としている。
虐待の連鎖断ち切る
また、虐待や家庭の事情で施設に入所する子どもたちが多い現状についても言及。「虐待は連鎖することがある。だからこそ、ここでの生活を通じて子どもたちが健全に成長できるよう支えていくことが私たちの役目」と話す。今年6月には町田市に児童相談所が新設される予定であり、「地域の子どもたちへの支援がより充実することを期待している」と述べた。
同学園には今年、新たに12人の職員が入った=写真下=。桑原さんは「自分も施設長1年目となる年。とともに成長しながら、支えていきたい」と語る。「間違えを恐れず、どんどん挑戦してほしい。大人も子どもも一緒に成長できる施設でありたい」と語った。