独占インタビュー 見えた五輪「恩返しのために」 ビーチバレー 溝江明香さん(真光寺在住)
初めて出会ったのは、2009年の9月。当時高校3年生で出場したビーチバレー大会で全国優勝を収めた直後だった。この2年半の間に何度かお会いしたが、久しぶりに会った彼女は随分雰囲気が変わり、驚くほど大人っぽくなっていた。しかし、可愛らしくあどけない笑顔や、考えをしっかり持ち伝える姿勢は2年半前と変わっていなかった。 溝江明香さん(20・真光寺在住)は現在、来年夏にロンドンで開催されるオリンピックを目指し、ビーチバレーの国内強化選手に指定されている、日本を代表するビーチバレー選手の一人だ。産業能率大学の学生でありながら、ほとんどを海外遠征で過ごす。今年は5月から13カ国17大会に出場するべく世界を飛び回る。「前期で大学に出席できる日数が14日ほど。卒業できるかな…」。日本に戻った際は、限られた時間で“用事を済ます”ことに追われるが、家族や友人との時間が何より大切な安らぎだ。
見えてきたロンドンへの道
世界ランキングに16位以内、もしくは大陸優勝、もしくは世界最終予選で上位2チーム。来年6月までのトータル成績で、このいずれかの条件に入らなければオリンピック出場は叶わない。「現実的にはアジア優勝を。ただ志としては、世界16位以内を目指したい」。先日3位に入賞したタイでの大会では、大きな収穫を得た。試合中のパフォーマンスの出し方や試合前の気持ちの入れ方。自分の中で掴めた感覚は自信に繋がり、今後に繋がる大会となった。
ロンドン、リオ、そして…
溝江さんには描く道がある。「22歳でロンドン、26歳でリオ、30歳はその次で34歳まで現役を」。オリンピック出場を果たした後は、ビーチバレー界の発展に貢献するべくマネジメントを考えている。「試合の合間にDJ解説を入れ、音楽を流しながら観客がウェーブをしてしまうノリ。とにかくビーチバレーを楽しんでもらうんです」。今現役選手だからこそ見えるものがある。
「恵まれている」恩返し
高校3年生でインドアのバレーボールからビーチに転向し全国優勝。かおる姫こと菅山かおる選手と組み、メディアには“新星”と取り上げられた。現在はベテランの田中姿子選手と組み度々国内優勝を飾るなど、その選手人生は“順調にきている”とも見える。その質問をぶつけると、「恵まれているだけです」と即答した。「私の力だけでない。周りの方へ恩返しは、オリンピックに出て活躍すること。もらったチャンスを活かすのは自分次第だから」。溝江選手は1年後へ向け、今スタートを切ったばかりだ。
取材(21日)は市内の某居酒屋で。大好きなお酒の話に花が咲く。今まで飲んだ中で特にロシアのビールが美味しかったとか。海外では大会の合間にショッピングや観光も楽しむという
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