市民後見人 制度強化のため育成 町田市 10月からスタート
認知症や知的障がいなどで十分な判断能力がない人が不利益を被らないように支援する成年後見制度。町田市は、10月から「市民後見人」育成を開始する。成年後見制度をより利用しやすくすることが目的。
成年後見制度とは、不動産や預貯金などの財産を管理したり、介護サービスや施設の入居などの契約を結んだりする必要があっても、認知症などのため自分で対処することが難しい人を保護し、支援する制度。その必要性は町田市を含め、全国的に年々増している。
町田市が10月から開始する「市民後見人育成制度」は、弁護士や司法書士、社会福祉士などの資格は持たないが、被後見人、被保佐人、被補助人と顔が見える関係の中で、きめ細かな後見活動を行う市民を育成するもの。
市内には東京都の基礎講習を修了した20人が「町田市市民後見人」として現在登録し、これまでに18件選任されている。都の講習は2013年度で終了。
市民後見人は、財産管理や福祉サービスの調整以外にも、認知症のある高齢者を訪問したり、必要な支払を代わりに行ったりし、また精神障がいのために長く入院中の市民を訪れ、おしゃべりや散歩などを一緒に楽しんで行う。
町田市によると、成年後見制度について市内の新規相談件数が昨年度1年間で860件以上と増えているという。また申立人が親族に誰もいないため、市長申立となった人が昨年度で20件。13年末現在の累計では、145件と東京家庭裁判所立川支部管轄では、町田市が一番多い。
シンポ開催
町田市は市民後見人のことを知ってもらおうとシンポジウムを開催する。10月25日(土)、ホテルザ・エルシィ町田で午後1時30分から。無料。要約筆記・手話通訳あり。
基調講演では「成年後見制度の動向と市民後見人の可能性」をテーマに中央大学法学部教授の新井誠氏が登壇。ほかに厚生労働省の安藤正純氏、町田市の高木粧知子氏による現状報告、パネルディスカッションなども行う。申込みは町田市役所イベントダイヤル【電話】042・724・5656へ。
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