優雅で力強く、美しい演技が見る者を魅了する――今、日本の体操女子が熱い。男子が注目されがちな体操競技だが、最近は国際大会等で女子の活躍が目立ち、世界との距離は確実に縮まっている。町田市在住の畠田瞳さん(17)、千愛(ちあき)さん(14)姉妹は体操女子の将来を担う逸材。2年後、そしてその先の五輪で活躍が期待される2人に話を聞いた。
2人の父はバルセロナ五輪団体総合の銅メダリスト、畠田好章氏。コーチを務める母、友紀子さんも元ユニバーシアード代表という体操一家だ。「小学3年の道徳の授業がきっかけで自分の進むべき道を考え、体操しかないと思った」という瞳さん。小学1年から本格的に競技を始めた千愛さんは「周りがみんなやっていたので自然とその中に入って行った」と話す。
日体大荏原高校3年の瞳さんは5月のNHK杯体操選手権で個人総合3位になり、10月から開催される世界選手権の日本代表候補になった。スイーツが好きで、お菓子作りが趣味という一面もある。小顔でスラリとした体は、技の見栄えも良く選手として有利だ。得意競技は段違い平行棒で、下バーから飛び出し、半分ひねりながら高いバーへ移る「マロニー1/2」が得意技。同競技では選手権でも全体でトップの点数をマークした。
一方、地元南成瀬中に通う千愛さんは小学生時代からミラクル小学生と呼ばれた体操界の新生の星。日本人では誰もやっていないG難度の大技をこなし“ひねり姫”の愛称を持つ。得意競技はゆかと平均台で「この種目なら本番でもまったく緊張しない」というほどの自信を見せる。20〜22日に開かれた全国中学校体操競技選手権大会でも個人総合で1位。「狙って取れた優勝なのでうれしい」と笑顔を見せた。
今後について「まずは目の前の世界選手権の団体で3位以内に入り、東京五輪の団体枠を獲得する」と瞳さん。その先にあるのは2020年の五輪に代表として出場することだ。2年後にシニアに上がる千愛さんは、国内外での試合経験を重ね東京の後の五輪まで見据える。
姉から見た妹は「ゆかの演技は世界で戦える水準」といい、妹にとって姉は「どの試合、種目でも大きな失敗をしないところがすごい」。
練習は毎日4〜6時間。きつくても、結果を出すためなら苦にならない。体操の魅力について瞳さんは「頑張ってきたことが結果に表れること」。千愛さんは「国際大会で海外の選手と交流するのが楽しい」。これから活躍が期待される日本の体操女子。この2人が旋風を巻き起こすのは間違いない。
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