河上山 「福寿院」(矢口弘和住職/つくし野3の3の5)で4月1日から「十一面観世音菩薩像」が開帳されている(5月6日(水・祝)まで)。同院は現在の横浜市と川崎市麻生区、町田市にある「旧小机領三十三所子年観音霊場」の第二十四番札所。この三十三霊場では12年に一度子年にだけ尊像が一斉開帳され、巡拝することができる。
江戸時代に開創
観音が三十三の姿に変わり人々を苦悩から救うと言われることから、三十三霊場を定めて巡拝することが平安時代から行われてきた。江戸時代、泉谷寺(横浜市港北区)の転誉理察上人と、法昌寺(同青葉区)の宗運和尚と朝庵和尚の3人が小机領内の寺を巡って霊場を選定。1732(享保17)年の子年に三十三所観音霊場が開創。24年後の1756(宝暦6)年には各霊場で一斉に尊像の開帳が行われ、以降は子年ごとに開帳されている。
明治の頃は3月に行われていたが、現在は4月から5月に開帳されるようになった。開帳に合わせ、納経帳(朱印帳)や軸が用意され、満願(すべての霊場を回ること)を目指す巡拝者は多いという。各霊場には番号が振られているが、順番に巡る必要はない。
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため同霊場参拝の延期も検討されたが、33カ所の寺でほかのタイミングで時期を合わせることが難しく、そのままの期間で開催するに至った。ただ、33カ所を回るバス参拝は中止となった。霊場会の広報を務める福寿院の矢口京子さんは「12年に一度の機会。散歩がてら参拝していただくことも歓迎です。感染症対策はしていただき、ぜひ神聖な気持ちでお参りした上で御朱印をいただいてください」と話している。各寺で、全ての霊場の路線図の入ったチラシを配り、また各寺の詳細が載ったガイドブック付の写経帳を販売している。
記念品の用意も
旧小机領三十三所の中で福寿院は唯一町田市にある霊場。同院は高野山真言宗で、1689(明元禄2)年に開山。「十一面観音」本尊を拝めるのは子年の開帳期間だけだ。国家安穏、町内安全、後生安楽を祈願している。尊像の指に結んだ5色の絹糸が観音堂前に建てられた供養塔につなげられ、その綱を触ることで参拝ができる。
御朱印は300円。朱印台紙は100円。満願希望者に限り納経帳の表紙を無料で配布。自身の持つ納経帳も利用可。また、霊場会オリジナルのピンバッチ(500円)、根付け(600円)を販売している。33カ所の各寺でそれぞれ33個ずつの限定。矢口さんは「ネズミをあしらったかわいらしいデザインです。記念にいかがですか」と呼びかける。御朱印受付時間は午前9時〜午後5時。
同院へは、東急田園都市線「つくし野駅」より徒歩約10分。開催を知らせる朱色ののぼり旗が目印。問合せは福寿院【電話】042・795・5361
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