一般社団法人町田青年会議所(町田JC)が主催して7月23日、町田市に隣接する多摩市、相模原市の会員や教育関係者らを含めての合同防災講演がオンラインで行われた。東日本大震災で起こった「大川小学校での事故」をひとつのテーマとし、被災地から当事者の話を聞くなど、防災についての学びを深めた。
市川展久理事長は今回の講演について「近年世界において気候変動が問題となっており、毎年発生する風水害や今後起こると言われる首都直下型地震への備えは大きな課題」とし、「町田市という枠でなく、広い意味で地域を守ることも大切では」と多摩市、相模原市の同会議所にも参加を呼びかけた趣旨を話した。
講演では東日本大震災当時、宮城県の女川第一中学校(現在の女川中学校)の教諭だった佐藤敏郎さんが講師を務めた。佐藤さんは同県の大川小学校からオンラインで参加。同校は佐藤さんの次女が通っていた学校で、次女は津波の犠牲になった。
佐藤さんは震災発生当時の様子を詳細に説明するとともに、次女を含めた多くの児童が「なぜ助からなかったのか」について「組織の在り方」につながる話を展開。「(予め)やることが決まっていれば(災害があった時に)話し合うことはない」「恐怖を知ることが希望につながる」「大災害は日常を奪う。想像の中に自分を入れて」などのメッセージを送った。また、講演の最後には小池百合子東京都知事からのコメントもあり充実した内容となった。
参加者の中には市外の教育委員会の職員もおり、「(佐藤さんの話を)自分たちの街にも広めたい」という声があがっていた。講演を振り返り市川理事長は「実体験に基づいた話ですごくリアルだった。行政の枠を超えて助け合えるよう、我々のような団体がつなぐ役割を果たしたい」と話した。
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