町田市は11月から、新型コロナウイルス対策用として全国で配布された布マスクを新生児の沐浴用ガーゼにリメイクし、新生児のいる全ての家庭へ配布する取り組みを始めた。リメイクを手掛けたのは木曽あんしん相談室に集う市内の高齢者で、介護予防や生きがいづくりの一翼も担う。
布マスクは2020年に国から市に支給され、妊婦向けに配布していたもので、配布期間が過ぎたものを使用。布マスクは2枚で1枚の沐浴用ガーゼを作成することができ、3000枚の作成・配布が目標。
この取組みはもともと忠生第2高齢者支援センターが、地域の高齢者の介護予防活動や生きがいづくりの一つとして推進していたもの。厚生労働省が余剰の布マスクを、希望団体に配布していることを知った地域の人から何かに活用できないかと相談を受けた同センターが導入を決定。インターネットで申し込んだものの、結局申請ができず市に相談し、保健所の在庫を提供してもらった。活用法を検討した結果、新生児の沐浴用ガーゼを作ることに決めた。
同センターが管轄する木曽あんしん相談室に集まり、手芸などのものづくりを通じて交流する自主グループ・ものづくり開発部のメンバーや個人が同相談室や自宅で作成。マスクの縫製をほどき、広げた布を2枚重ねにして縫い合わせていく。ワンポイントの刺繍やアップリケを付ける人もいる。夫がデイサービスに行っている間に参加しているという小林惠美子さん(80)は「週1回みんなで集まり、おしゃべりしながらできるのがいい。指先の運動にもなるし、時間もつぶせる。市内の赤ちゃんのためになっているのでやりがいもありますね」と話す。
新生児への配布は保健予防課の「こんにちは赤ちゃん訪問」事業による。新生児のいる家庭に助産師、保健師が訪問し、体重測定をするとともに授乳のこと、初めての育児による心配事、母親の体調などの相談を受けるというもの。訪問する際に、沐浴用ガーゼを渡していく。同課によると、2021年度の新生児は2361人。今年度も同数程度の出生が見込まれるという。
同センターの井田美喜子センター長は「直接ではないけれど赤ちゃんや母親などとの多世代での交流や、布マスクを無駄にしないSDGsに繋がる良い事業となっている。市内への広がりに期待したい」と話した。
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