町田市はこのほど、若年層の交通安全の意識を高める目的で、市内の大学生や20代の社会人と協働で、「20代が使いたくなる」をコンセプトにしたオリジナルの反射材を製作した。市は今後、反射材を学園祭や学生らが集まるイベントなどで配布し、若者に交通安全を啓発していく。
今回製作したのは、夜間の外出時に車のドライバーに自分の存在を知らせ、安全性の向上が期待される反射材。20代の大学生、社会人10人のメンバーが中心となり、「町田らしさ」を取り入れた反射ステッカー、オレンジと白の反射クリップ、使用方法などを記載したオリジナル台紙がセットになった啓発グッズを企画・デザインした。
市民生活安全課が連携する(一財)町田市地域活動サポートオフィスに委嘱し、過去に生涯学習センターのイベントなどに携わった学生らが協力。1月から会議を重ね、町田に縁のある「リス」のキャラクターや、ネオンサインをイメージとした蛍光カラーのステッカーを製作した。イラストは桜美林大学出身の坂田光(あきら)さん(25)、デザインは女子美術大学出身で「さがまちコンソーシアム」で活動していたデザイナーの石井彩さん(25)が担当した。
メンバーらは3月29日に市役所に納品に訪れ、同課の職員らにグッズの説明を行った。坂田さんは「パロディ要素が若者にウケるので、『飛び出し坊や』のモチーフや、ストリート感を出すためにヒップホップ界で人気の落書きアートを取り入れた」と説明。「蛍光色は人気ゲームで流行っているし、『防犯』との親和性も高い。スマホなどに貼ってもらいたい」と話した。ほかのメンバーからは「グッズを考案する上で、ドライバー目線で考えることができた」「これなら友人に勧められる」などの声が上がっていた。市の職員からは「思わずつけたくなるデザインで最高」「我々には出てこない発想」との感想が述べられた。
同課の岡真吾課長は「高齢者や子どもたちに向けた啓発活動はこれまでも行ってきたが、若者にリーチしたものがなかった。若者たちの意見で『これなら』というものを製作できた。作って終わりではなく、若者に配布し、使用してもらうところまで、しっかり協働して行っていきたい」と話した。
今後は学園祭や学生が集まるイベント会場などで配布するという。
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