町田市が4月3日、「町田市パートナーシップ宣誓制度」を開始した。性的少数者のパートナーを公的に認め、関係性を行政が証明する制度で、性の多様性に関する社会的な理解の促進につなげる目的。
町田市では制度導入に先駆け、3月29日の市議会本会議で「町田市 性の多様性の尊重に関する条例」を可決成立。条例に基づいて制度を導入するのは、市議会(=市民)の承認を得ているという点で他の自治体と比べ特徴の一つになるという。
この制度は、同性の2人の自由意思により、お互いを人生のパートナーとして協力しあうことを約束すると宣誓したことを行政が証明するもの。町田市男女平等推進センター(町田市民フォーラム内)で申請を受け付けており、申請が受理されるとA4型の証明書が1部、カード型が2部発行される。婚姻のような法的な効力はないが、市営住宅の入居資格が認められたり、市民病院などの医療機関に対し手術の同意などを行えるようになるという。
同センターの担当者によると、これまでは親族や配偶者のいずれにも当たらない関係となってしまうため、もどかしい思いをしている当事者が多く、「住まい」と「医療」は最も高い関心ごとだという。
市では条例制定と制度開始についてスピード感をもって対応するため、2021年4月から計4回、当事者・支援団体と議論を重ねてきた。
市内在住でLGBTQ+当事者の黒澤聡さん(49)は「やっと、という気持ち。正直、町田市は遅れていると思う。(取り組みに先進的な)渋谷区などに引っ越したかった時もあった」としながらも、「もっと理解が進むきっかけや苦しんでいる当事者同士の交流につながれば」と話した。
また、市は東京都と連携協定等を締結しているためパートナーシップ宣誓証明書を持っていれば、都の制度との相互活用が可能になる。先行して導入された東京都の同制度には市内から9組が申請している。
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