町田市内で認知症になっても働き続けられる仕組みづくりが進んでいる。市内一般社団法人は放置竹林整備から派生した仕事をいかに持続可能なものにしていくか。模索している。
竹林整備を企画するのは、市内で認知症の人の居場所づくりなどにあたる(一社)Dフレンズ町田。4年前から、認知症の人に市が所有する竹林の整備を任せ、給料を支払ってきた。
「数少ない職場」--。そこは認知症の人が働く喜びや生きがいを感じられる場になっている。同法人代表の松本礼子さんは「認知症だから、仕事はできないと思われがちだが、そんなことはない。皆さん、いきいきと働いている。責任が生まれることがやりがいにつながっていると思う」と微笑む。
持続性が課題
松本さんによると、認知症の人が働く場を運営するにあたって心がけているのが、いかに仕事を切らさないようにするか、ということという。働く認知症の人のモチベーションを保つため、「Dフレンズ」では竹林整備を行うなか、伐採した竹で灯篭を製作し商品化したり、竹を炭にして販売するなど、事業の幅を広げてきた。ただ、いずれもスポット的な仕事で終わることが多く、年間を通して竹を使った商品を提供し続けることが課題になってきたという。
今年、転機
そして今年、転機が訪れた。木曽にあるデイサービスから施設のレクリエーション時間などに活用するものとして竹細工商品の発注があったのだ。依頼したデイサービス木曽を運営する社会福祉法人七五三会の三武冬果さんは「良いものがあると聞いて。購入した竹で作られた灯篭やコースターなどは、当施設利用者が色付けするなど、活用している。皆さんに好評です」と笑顔をみせる。
この仕事は定期発注されるようになり、噂を聞きつけた市内の高齢者施設などからも、竹細工商品について松本さんの元へ問い合わせがくるようになったという。
松本さんは「持続可能な循環が生まれた。この仕組みを定着させ、認知症の人が働く機会が増えるようにしていきたい。1つの成功モデルとなれば」と話している。
この「Dフレンズ」が企画する竹細工商品については同一社・松本さん【電話】042・732・3451まで。
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