多摩地域で初となる「はちおうじユニバーサル駅伝大会」が先ごろ、八王子市で開催された。障害の有無や年齢、性別関係なく当日集まったメンバーでチームを組み、全員完走を目指した同大会。主催の実行委員会は開催前、集まったボランティアサポーターに講習を実施。車いす利用者や障害のある人への接し方についてレクチャーした。講師として登壇した八王子障害者団体連絡協議会(通称:八障連)の代表・杉浦貢さんに話を聞いた。
「動機はなんでもいい。『いいことをしていい気分になりたい』でも構わない。でも手伝う先には必ず相手がいる。それを忘れないで」――。杉浦代表はそう切り出す。
講習会でサポーターに話したのは、車いすや障害という『属性フィルター』を通してその人を見るのではなく、「知り合った人がたまたま車いすだった」と考え、同じ人間として対等に接してもらいたいということだった。身近でも、街中で車いすユーザーを見かけた際、「何かに困っているはず」という先入観を持たないでほしいと。特に、いきなり車いすを押すなどの行為は、操作に慣れていないと転倒などの危険も伴うため止めてほしいという。車いすはユーザーにとって「体の一部そのもの」。利用者が驚くだけではなく、「この体じゃ抵抗できない。だから余計に怖い」と話す。
杉浦さん自身もかつて、街中で中年の女性に突然持ち手を押され、びっくりして声が出たことがあった。その反応に女性も驚き、「せっかく手伝おうと思ったのに」と落胆された。「せめて最初に声をかけてほしかった。女性の思いと、受け手である自分の気持ちがマッチしなかった」と振り返る杉浦さん。健常者同士でも、双方の状況によって需要と供給が合致しないことは多々あるもの。それと同じで、「たまたま成立しなかったからといって『二度と手伝うものか』とならないでほしい」と話す。
杉浦さんは20年ほど前から、地域の小・中学校で講話を行っている。「小学生のうちから、世の中にはいろんな人がいることを知ってほしい。『他人事』にしないで」と呼びかけているという。ある生徒は講話後、感想文に「大好きなスポーツができなくなるのは嫌なので、事故に気をつけようと思った」と書いてきた。それを受け、杉浦さんは「それでもあす、事故や病気で障害が残る可能性は誰もがある。でも、たくさんの人が君を助けてくれるし、きっと別の打ち込めることが出てくると思うんだよね」
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