サレジオ工業高等専門学校(小山ヶ丘)の下河邉千里さんが商品開発に関わった栽培しやすい鉢植えの販売が今月、町田市内で始まった。繊維状物質であるナノファイバーを用いたもので、少ない水やりでも植物が育つようになるという。
下河邊さんが考案した鉢植え「ナノプラント」は若い年代層を主なターゲットとし、植物栽培を「手軽にできる」ということをコンセプトとした商品。静電気関連製品などを取り扱う関西電子株式会社(大田区)がペットボトルを再利用し開発した親水性や防カビ性に長けるナノファイバーを鉢の底面に敷き詰めることで少ない水やりでも生育しやすいようにしたという。
同社の進士国広社長は「水と馴染みやすいナノファイバーを使用することで実現できた商品。下河邉さんは商品化に向け熱意をもって取り組んでくれた。開発したナノファイバー素材が商品として具現化される機会に恵まれ感謝している」と喜ぶ。
1年かけ
製品化に至るきっかけとなったのは一昨年行われた同校と連携協定を結ぶ城南信用金庫が事務局を務める「よい仕事おこしフェア実行委員会」が企画した授業。そのなかで、関西電子のナノファイバーをどのように商品化するかという課題が出された際、下河邉さんはナノファイバーを用いてトマトの種を育てるプランを考案。好評を得て選出されることになり、以降、卒業研究を兼ね、およそ1年の間、商品化に向けて企業らとの協議を重ねてきたという。
下河邉さんは「植物を育てる時に種を置くだけで生育することができればと考えたことが、この商品を生むきっかけとなった」と振り返り、「植物の知識がないため苦労する面もあったものの、専門家にアドバイスをもらうなど、試行錯誤しながら販売にこぎ着けた」と笑顔をみせている。
この鉢植え「ナノプラント」にはベビーリーフの種が同梱されており、一度収穫した後も再利用してほかの種類の植物を育てることもできるといい、下河邉さんは「鉢に付属されているスコップのデザインは私が担当した」と話している。ナノプラントは現在、原町田の施設「ぽっぽ町田」やJA堺支店などで税込500円として販売されている。
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