初のJ1リーグの舞台で快進撃を続けているFC町田ゼルビアと地域をつなぐ役割を果たしてきた総合型地域スポーツクラブがある。チームの創設に携わった守屋実さんが率いる町田ゼルビアスポーツクラブ(NPO法人アスレチッククラブ町田)だ。運動教室や学びの場などを開いて20年。地域コミュニティを活性化させてきた一方、ゼルビアの周知拡大に貢献してきた。
「たくさんとれた」「みんなで食べるのはおいしい」――。同クラブが毎月、小野路町で開催している農業体験の場「ゼルビアいもづるの会」。地域の親子連れなどが参加し、スタートして10年を経た今、地域のつながりが生まれる場として定着してきた。当初は人集めに苦戦したものの、イベントの要素を加えることで徐々に人気を集めるようになり、 「幼少期に参加し、今ではスタッフ側にまわってくれるようになった中学生もいる。うれしい限り」と活動を見守ってきた守屋さん。「町田の自然に触れ、地域の魅力を再発見する場所にしたかった。それによって、町田への愛着を感じられるようになれば。ゼルビアファミリー獲得にもつながったと思う」と微笑む。
2003年設立
同クラブは2003年12月、「町田市にプロサッカーチームをつくりたい」という思いを後押しする団体として設立。チームが東京都の社会人カテゴリーから、JFL(日本フットボールリーグ)、Jリーグへとステップアップする姿を見守りながら、総合型地域スポーツクラブとして、サッカーやチアリーディングなどの教室を開いてきた。
運営が軌道に乗ると音楽や文化活動の分野にも力を入れるようになり、現在は学童も開設。いずれも「ゼルビア」をキーワードに人の交流を生んでいる。守屋さんは「より多くの人に『この街にゼルビアがあって良かった』と思ってもらえるように活動してきた」と振り返る。
活動拡大
一方で、同クラブを総合型地域スポーツクラブ運営の好例としてみる向きもある。
守屋さんと共にクラブの運営にあたってきた事務局長の渡邊さや香さんは「優良なものを提供し、しっかりと対価をいただくことでクラブ運営の安定化を図ってきた。そのおかげで若い人をスタッフに迎えられている」と笑顔。20年からは一定のスペースが取れる成瀬会館を拠点にし、活動の幅が拡大したという。「ただ、これまでよりも活動を広げるにはより大きな拠点が必要と考えている。可能性を探っていきたい」
町田版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|