障害者福祉施設の職員として働く傍ら、防災の知識を広める活動を行う 重枝 由晃さん 本町田在住 66歳
災害弱者 守るべく備える
○…金森の障害者福祉施設に勤める傍ら、防災に関するNPOに所属し、いざというときに命を守るための知識を広げるべく活動を行っている。今月初旬には災害時を想定し、全館で電源、給水を止めた状態での訓練を初めておこなった。電話がつながらない、冷房も停止する--という「まさに非常事態」のなかでの訓練。いざというときに通所者の命を守る立場としての責任を再認識する機会となった。
○…福祉の仕事に就いたのは18年前。それまでトラックの運転や内装の仕事を担ってきたが一転、知人の頼みで知的障害者支援の手伝いを行ったことがきっかけとなった。接し方が分からず、初めは苦手意識を感じていたものの、仕事を通して彼らの人柄に触れていくうちに楽しさに気が付き、引き込まれるように。現在の施設では通所者の授産作業をサポートし、生活の様子を見守る毎日だ。慕われる存在。「皆から元気をもらっている」と笑顔を見せる。
○…NPOとして、災害時に身近なものを用いて生き延びる「サバイバル防災」を伝えている。先月には芹が谷冒険遊び場で教室も開いた。原点となるのは、子どもが小さいころ、一緒によく行ったアウトドア。1週間近くにわたりキャンプ生活をしたこともあり、自然界にあるものを使って過ごす経験は、災害時に生き延びる術として生かせると体感している。
○…福祉施設が避難場所として機能するよう、常に備えておくことへの重要性を感じる。発災時、障害者をふくめ、妊婦や高齢者は災害弱者となり、自力で逃げることが難しく、避難先の受け入れが整っていない可能性もある。「彼らの受け皿としてサポートできる体制を備えておきたい。スムーズに対処できる施設でありたいと思う」
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