町田市出身の奥秋李果さんが先ごろ、デンマークのコペンハーゲンで開かれた水上競技サップの世界選手権大会・国別対抗リレーで優勝した。奥秋さんは「強豪国もいるなかで優勝できてよかった。作戦を練り、チームで団結して臨むことができた」と話している。
サップ(SUP)とはスタンド・アップ・パドルボードの略称で、不安定なボードの上に立ち、パドルを漕いで水面を進む競技。先ごろデンマークで7日間に渡って行われた世界大会で、奥秋さんは2日目に行われた4人1組でリレーに出場し、強豪国のスペインなどを破り優勝を果たした。
1日目に行われた個人レースに出場した際に、海外の選手との体格差・メンタルの差と感じたという奥秋さん。「ボードがぶつかると引いてしまっていたので、まだまだ自分は弱いと感じた。体が小さいので、もっとガツガツいかなくてはと気がついた」と振り返る。そこから2日目の国別対抗リレーに向けて作戦を練り直すなど調整。結果につながったという。「漕ぐパドルの入水確度で速さも変わるので、細かい部分も意識して挑んだ。チームで団結して優勝できてとてもうれしい」と笑顔を見せる。
一方で奥秋さんは、長距離レースとなるロングディスタンスの個人種目で4位入賞するなど、大会を通じて活躍。全てのレースの国別総合順位で2位となった日本の躍進に貢献した。
町田から見守った母の里美さんは「感動の一言に尽きる。今回は漕ぎ方がいつもと違い、気持ちが前面に出ているのが伝わってきた。結果につながって良かった」と話した。
結果で恩返しを
沖縄の離島、座間味島でライフセーバーとして働いている奥秋さんは、2017年に島で行われたサップの国際大会に参加したことをきっかけに競技を本格的に始めた。現在はクラブチームで子どもたちの指導に当たりながら、日本代表として競技に参加している。
奥秋さんが次に目指すのは、11月にアメリカで開催される世界大会。「今回優勝したことで、教えている子どもたちや応援してくれている人たちが喜んでくれた。次は個人優勝を目指し、みんなへの恩返しを結果で示したい」と決意を新たにする。
今後は、サップをオリンピック競技にしたいという思いもあるといい、「最前線にいる私たちが働きかけていきたい。周知に向けて国内で活動を展開していければ」と話した。
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