相原町の法政大学多摩キャンパスが開設して今年、40周年を迎えた。現在およそ9千人の学生が通うキャンパスは今や周辺地域を支える存在に。多摩キャンパスの責任者である岩崎晋也・副学長は「地域との交流を深めてきた。この場所を街の資源と考えてもらえれば」と話している。
多摩キャンパスが開設したのは1984年。大学進学者の増加などを受け、その受け皿として自然豊かな相原町の地が選ばれた。数多くの学生がやってくると周辺地域は徐々に活気づくことになり、学生らは学業の傍ら、地域の子育てや高齢者支援に目を向けるようになった。活動が拡大していくと大学は地域の課題解決に取り組む窓口を設置。活動を後押し、その取り組みは相原町などの町田市だけにとどまらず、キャンパスに隣接する八王子、相模原両市にも波及。各地の伝統文化の継承に関わる学生などもみられるようになっている。
一方で、多摩キャンパスは野球や陸上競技などの大学スポーツ屈指の力をもつ部の拠点にもなっている。数多くのプロ選手やオリンピアンを輩出し、地域住民らは「地元選手」としてその活躍に歓喜。大学が創設した「総合スポーツクラブ」には子どもから大人が集まり、身体を動かす楽しさを知る場所として定着している。
岩崎副学長は「多くの学生が地域で活動している。当大学の都心にあるキャンパスと比べ、街の人たちと近い場所。学生たちはリアルな地域課題と向き合い、学ぶことができている」と話す。
身近な場所に
地域住民にとっても多摩キャンパスは身近な場所になってきたようだ。夏季などに開放される大学内の図書館は地元の高校生らが活用し、秋の大学祭は地域住民が「主催者側」として参加することも少なくない。
10月行われた大学祭で「焼きそば屋」を出店した同大学OB会「町田法友会」の代表を務める芝田晃さんは「学生時代、車で多摩キャンパスに通っていたが、周辺に駐車場が数多くあったことを思い出す。焼きそば店で得た収益は法政大生の支援にまわしたい」と笑顔をみせる。
岩崎副学長は「多摩キャンパスは地域の皆さんが暮らしを豊かにするために活用してもらう資源と考えている。公開講座などを開き、これからも皆さまを出迎えていければと思う」と話している。
来月、記念の催し
多摩キャンパスでは来月、開設40周年を記念する催しが開かれる。「社会課題解決にチャレンジするソーシャル・イノベーター」と題するシンポジウムや「多摩キャンパスの記憶とストーリー」とするワークショップなどで、12月15日(日)開催。詳細は下記二次元コードから。参加希望者は共に12月9日(月)までに申し込み。
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