ウィーン在住で12月23日に地元でピアノコンサートを開く山口 友由実さん町田市出身 34歳
向き合うことを大切に
○…真っすぐに相手の目を見て、嘘や偽りのない言葉で話す。温かなまなざしはピアノに向ける視線と同じだ。「自分にとって音楽は聴いてくれる人があってのもの。ピアノに限らず、対話することが好きなんです」。初対面でも心を許してしまう独自の空気感。いつも自然体なその姿に魅了され、老若男女を問わずファンは多い。長年の友人であるかのような親しみやすさは、世界を舞台に活躍するピアニストであることを忘れさせる。
○…音楽一家ではなく、普通の家庭に育つ。6歳でピアノを始めたのも友達を作るためだった。気が付けば、ピアノはいつもそばにあるものに。この道に進んだときも迷いはなかった。「導いてくれた恩師、背中を押してくれた両親にはいつも感謝しています」
○…今秋から拠点をウィーンに移した。かつて7年間留学し、ピアニストとして成長させてくれた音楽の都。「もっとピアノと向き合い、音楽家としても人としても大きくなりたい」。曲に対するときは譜面からは見えない部分を大切にする。歴史好きで好奇心旺盛。楽曲が生まれたときの背景や状況を理解することでわかることがある。だから自身の内に取り込み、指先からピアノを通してその思いを伝える。
○…約10年前、ピアノカフェショパンの扉を開いたときは、まだ自分は何者でもなかった。「初めて一人でコンサートを開いたのもここ。温かく迎えてくれた人々のことは今でも覚えています」。思い出は走馬燈のように浮かび上がる。あれから成長し、どんなに大きな舞台を経験しても原点はここにある。わずか30人程度しか入らないこの店には、これまでもずっと見守り続けてくれた多くの人たちがいるから。来年も必ずこの場所に帰ってくると約束する。
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